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本を守ろうとする猫の話 夏川草介


あらすじ

高校生の夏木林太郎は祖父と二人暮らしだったがその祖父が突然亡くなった。林太郎に残されたのは祖父の古書店だけだったがその古書店も閉めてよく知らない叔母に引き取られることになっていた。そんな、林太郎の前に一匹のトラ猫が現れた。言葉をしゃべる猫に驚く林太郎にトラ猫は夏木書店の二代目に力を貸してほしいと言うが…。

ここからネタバレ含むあらすじ

トラ猫は3つの迷宮から本を救うために林太郎に力を貸せと言い出す。第一の迷宮では閉じ込められた本を第二の迷宮では切り刻まれた本を第3の迷宮では売るためだけに作られる本をそれぞれ解放することを林太郎はトラ猫から頼まれる。
ファンタジー調のお話ながら現在の本の位置づけがよくわかる構成になっていて作者は本の存在意義を読者に問うているのではないかなと感じました。
そして、最後の迷宮に現れたのは本、自信の化身(妖精?)で自身の力が衰えていることを嘆いているようにも感じました。
いろいろな物語の中で現在「本」自身が立たされている岐路について語られることが多くなり、それを嘆く人、何とかとどめたい人、そんな本好きの嘆きが聞こえてくるような物語でした。

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