猫弁と星の王子 大山淳子
あらすじ
亜子と喫茶店でモーニングをたべているとき、百瀬は見知らぬ女性に赤ん坊を渡される。母親が帰ってこないので、仕方なく赤ん坊を連れて出勤する。そして、百瀬の元に新しい依頼が舞い込む。別居している父親が自分が死んだ後も猫の世話人を引き続き家に住まわせることという遺言を作成した。しかし、10年経った今も父親は行方不明で、家には猫と若い男が住んでいるという。百瀬はとりあえずその家に向かった。
ここからネタバレ含む感想
突然渡された赤ん坊、死なない猫、知らない若い男、行方不明の父親、それに、大学に合格したと特殊詐欺に引っ掛かった正水直、突然帰国して百瀬のアパートに住むことになった春美…。バラバラに展開している話が一つにまとまっていくシーズン2の第1巻です。
結婚が3年延びた百瀬と亜子ですが、亜子が思い切って百瀬のアパート(百瀬の部屋のとなりのとなり)に引っ越してきます。さらに、同じアパートに春美が転がり込み、さらに行先の無くなった直も暮らし始める。古いアパートが賑やかになった巻でした。
さて、今回の事件の始まりは、父親の遺言で五美という猫が生きている間は猫の世話人を家に住まわせるという不思議な遺言から始まります。その父親というのがかつて占い師として有名だった星一心、そして星の家には、若い男とブリティッシュショートヘアーが一緒に暮らしているが星は行方不明という状態なのですが、いつの間にかいろいろ点がつながっていく展開です。
あそことあそこがつながって、こことここの関係がこうなっていてというように物語の組まれ方が上手に仕上がっています。