忘れ物が届きます 大崎梢

5話の短編集です。タイトルと同じ作品はないので、「忘れ物が届きます」というテーマで書かれた短編なのかな…。

ネタバレ含む感想

「沙羅の実」
不動産の営業の小日向弘司は、営業先で偶然小学校の恩師に出会います。
その恩師から弘司の小学校時代に起こった事件について一度話がしたいと持ち掛けられます。
設定自体に工夫があるので最後の結末には驚かされました。

「君の歌」
卒業式、芳樹はクラスの打ち上げには参加せず一人家路につきますが、そこでクラスの中心メンバーだった高崎から声を掛けられます。高崎の話は、かつて少し話題に出た高崎の出身中学で起こった事件の話だった…。
こちらも、設定に工夫がありもしかして全話こんな感じかと思ったらそうでもなかった。

「雪の糸」
カフェに努める比呂美のお店に、常連の祥吾と晴香が来店した。二人は、この度結婚を前提に始めた同居を解消することにしたという。話の中で晴香はかつて祥吾に仕掛けたいたずらの話をするそれを聞いた祥吾はその日の話を始める。ちょっとした行き違いからある人の人生を変えてしまったというお話、後味は悪くない。

「おとなりの」
推理とは少しジャンルが違うような気がするが引越ししたお隣の奥さんの証言である事件で疑われていた息子のアリバイが証明された。しかし、事件が気になった小島邦夫は事件の真相を追うことになる。結局犯人はわからずじまいだった(と思う…)のだが、お隣の奥さんが陰でいろいろ活躍していた???話か?

「野バラの庭へ」
なんでも屋に近い「チドリ企画」に務める香留は上司からあるオーナー一族の奥様の回顧録の担当をするように言われ、鎌倉の屋敷に出向く。そこで、奥様から聞かされた話は、昔、兄と結納間際に行方不明になった女性の話だった。

〇〇トリックがテーマの短編集かなと思います。とはいえ、割とマイルドなのですっごーく落ち込むというより、あら、そうなのね…という感じ程度です。(〇〇は、言葉が入ると面白さが半減してしまうのでネタバレとはいえ伏字にさせていただきました。)


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