密室蒐集家 大山誠一郎

密室事件に特化した探偵、密室蒐集家は30代前後の長身の男性、名前は不明。難事件が発生したときに現れ事件の概要を聞いただけで解決してしまう。警察の中では、都市伝説のような存在だが、上層部と何らかのつながりがあるとの話もある。
そんな不思議な探偵の密室に特化した短編集です。


ここからネタバレ含む感想

書評がとてもよかったので、かなり期待をして読み始めましたが、面白い。都市伝説の探偵という探偵も本来なら相反するファンタジーというか怪奇現象というかそんな状況なのに、違和感がないところが素晴らしい。しかも、登場するのが1937年から2001年と年代幅が広く、30代前後のまま歳は取らない…。いまだと、登場したときに内緒でスマホで写真を撮る人が出てきそうですが写真には映るのかな…とかいつも背広姿のようですが背広は同じなのかな…とか考えながら読んでしまいました。
短編5話ですが、年代間のつながりがあったり、ちょっとした回想が話に深みを添えています。
そして、どこからともなく表れて、刑事や事件関係者に話を聞くだけでたちどころに犯人を指名する。1話、1話登場人物は少ないのでその中で結構犯人は絞られるような気もするのですがそれでも犯人に驚かされることが多かったのでこの辺りは大山さんの力量を感じます。(いや、私がボーっと読んでいるだけか…)

本格ミステリー好きな方にお勧めの1冊です。

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