となりのナースエイド 知念実希人
あらすじ
桜庭澪は、星嶺大学医学部付属病院の統合外科病棟で新人ナースエイドとして働いている。澪は姉が全身多発性悪性新生物症候群(通称シムネス)で亡くなったのを機に、紹介でこの仕事を始めた。医療行為はしないが患者に寄り添えるこの仕事が自分に向いていると思っていた。
この総合外科病棟では、医者の手術の上でプラチナ、ゴールド、シルバーとランク分けされており、最上位のプラチナに属する竜崎大河と患者への対応を巡ってぶつかるが…。
ここからネタバレ含む感想
最初からなんとなく裏がありそうなナースエイドの澪ですが、元々は外科医で姉の死のトラウマから医療行為が一切できなくなっていました。それでも、医療現場に戻ってナースエイド(看護助手)として患者に寄り添おうとします。そんな、澪と対照的なのが竜崎、技術至上主義者で患者へは技術で対応すればよく寄り添いは不要と考えています。どちらも、自分の過去の経験からそのような考え方になったことが物語の中で示されます。
さて、話は澪の姉の死にまつわる真実で、病気を苦に自殺したと思われていた姉が実は誰かに殺害されてたのではという疑惑が浮上し、澪は真実を知るために調査をします。関係していたのは新聞記者の姉が亡くなる直前に取材していたネタで、どうやら星嶺大学医学部統合外科の教授火神の周辺が関係しているらしいことがわかります。
真実は、…となるのですが、このお話完結しないんです。最後に、火神教授が独白するのですが、どうもそれが真実なのか…、何か隠しているような…そんな印象を受けました。作者の知念さんも続編が…とコメントしていましたのでそのうち続編が出るのではと思います。
この小説は、テレビドラマと完全タイアップでテレビドラマに合わせて発売されています。ドラマの方を先に見たのですが設定がところどころ違っています。澪の両親は小説では健在ですがドラマでは亡くなっていてしかも、火神と澪の父には何かありそうなフラグが立っていましたし、最後にアメリカに行く竜崎も小説とドラマでアメリカに行くところまでは一緒ですがその後は異なる状況になっているのではないかと思いました。
恐らくドラマも続編が計画されていると思いますので、小説、ドラマうまく整合性を保ちながらどうやって進んでいくのかな…と気になります。