臨床真理 柚月裕子
あらすじ
新人臨床心理士の佐久間美帆は、傷害事件を起こした藤木司を担当することになる。なかなか心を開かない司が美帆の言葉に色がついていて最初は赤、その次は白と言った。司には共感覚があるのではないかと考えた美帆は司が起こした傷害事件のきっかけとなった水野彩の自殺について調べ始める。
ここからネタバレ含む感想
調べていくと司がかつて入所していた施設の施設長の安藤には何かありそうだと感じた美帆は、密かに施設から彩の遺品を持ち帰る。そこから事件は意外な展開になる。
偽名で施設を訪れたり、調査を進めたり、なりふり構わぬ美帆の振舞ですが高校の同級生の栗田は逆に超現実主義で法に触れないギリギリの手法しか美帆に教えないところでバランスを取っているのかなと思いました。
最後の大展開は予想外でなかなか面白しかったです。
柚月さんのデビュー作ということですが、精神科、知的障害者厚生施設と専門的な機関が出てくるのでここまで調べながら書くのは大変だったのではないかと感じました。