夏のくじら 大崎梢
あらすじ
篤史は小学校の頃よく遊びに行った祖父母の家のある高知大学に進学した。私学は全滅しての進学だった。高知では、毎年夏によさこい祭りがある。中学生の時に一度参加したきりだったのだが、高地に住む従兄弟の多郎に強引に誘われて町内会チームに参加することになる。
ここからネタバレ含む感想
高知のよさこい祭りの裏方のお話、最初のチーム結成から、準備手順まである種マニュアルのようにわかりやすく書かれています。その間に、一度途絶えたチームの再結成の裏話や、主人公篤史の中学生で参加したときの苦い思い出、従兄弟多郎の動向、他スタッフ、メンバーたちが抱えているいろいろなものがお話の中にうまく盛り込まれています。
主軸は、篤史がチームのスタッフに参加しつつ、以前参加した祭りで出会った年上の女性を探すお話です。こちらは、あれこれ謎解きのヒントが現れてそれでもなかなか本人には行きつけないのに最後はあっさり再開できる…というちょっと拍子抜けの展開でした。
それでも、よさこい祭りに関する熱気は十分感じることができたので、踊りに行くだけの体力はありませんが、一度見に行くのも楽しいかなという気にさせてくれる物語でした。
夏季のドラマとか、映画などの映像作品にするとなかなかいいんじゃないかと思って、もしかして、と調べてみたらまだ映像化はされていませんでした…いつか、見ることもあるのかな…。
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