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未踏スーパークリエータに認定されました

昨年度取り組んできた2019年度未踏IT人材発掘・育成事業の成果が評価され、未踏スーパークリエータに認定されました。
どうやら過去20年間に327名しか認定されていないそうです。恐れ多い…

未踏事業とは

経済産業省所管の情報処理推進機構(IPA)が実施しているクリエータを支援するための事業です。簡単に説明すると、クリエータは自身の持つ技術を用いたアイディアを提案し、審査を受け、採択されるとIPAから最大約273万円やPMによる支援を受けられるというプログラムです。採択後は約9ヵ月間、開発に取り組み、成果報告を行います。PMが設定した認定基準を満たし、推薦を受け、審査委員会から承認されたクリエータがスーパークリエータとして認定されます。
また、開発したプロダクトの権利が全てクリエータに帰属するので、オープンソース化するなり起業して事業化するのも自由です。

「未踏事業」は、ITを駆使してイノベーションを創出することのできる独創的なアイディアと技術を有するとともに、これらを活用する優れた能力を持つ、突出した人材を発掘・育成することを目的としています。
(未踏事業ポータルページより)

詳しくは下記ページを参照頂ければと思います。
https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/portal_index.html

何を作ったのか

ミツバチに代わって花の受粉を行うロボットを開発しました。
野菜や果物はミツバチが花粉を媒介することで果実を実らせることができます。しかし近年、地球温暖化や農薬散布によって世界中でミツバチが減少しており、このままミツバチに頼っているとやがて食べ物が作れなくなる可能性があります。そこで受粉ロボットの開発に着手したというわけです。
採択ページ:https://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/2019/gaiyou_ig-1.html

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9ヵ月の期間で様々な種類で実験するのは時間が足りないので、未踏期間ではイチゴに絞って開発を進めました。深度カメラによる花の検出アルゴリズム、ロボットアームや受粉アタッチメントの開発をしました。
実際、少量ではありますがロボットによる自動受粉でイチゴの果実を実らせることに成功しました。(世界初のロボットイチゴ)

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下に実っているイチゴがロボット受粉をした果実、上についているイチゴは受粉作業をしていない放置されてできた果実です。見比べると形状や色味に違いがあるのが明らかだと思います。

実験環境は秋葉原のオフィスビル内

協力先のイチゴ農家さんのところに毎回ロボットを担ぎ、足を運ぶのは大変です。
実験環境を手元に作りたい!けれども、イチゴを育てるスペースがない… 
そこで、スカラシップ生として使用させて頂いているDMM.make AKIBAに頼み込み水耕栽培ユニットを設置させて頂いてました。

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パイプ内に水を循環させるのですが、イチゴの苗が吸ったり蒸発するので徐々にタンクの水が減っていきます。もちろん水がなくなると苗は枯れてしまい一大事です。時折.makeのスタッフさんや会員さんにも助けて頂きながら定期的に水の補充をしていました。(圧倒的感謝)

すぐ下の階に一通り工作機械が揃っているので、プロトタイピングや不測の事態にも対応しやすかったです。

スーパークリエータに認定されて

まず、純粋に死ぬ気で取り組んできた約9ヵ月を評価してもらえたことがとても嬉しいです。けれども同時に、未踏OB・OGの方々が積み上げてきたスーパークリエータという称号に見合う行いをしなくてはというプレッシャーもあります。
私自身、研究で終わらせるつもりはなく、社会実装してこその成果だと考えています。特に、昨今のウイルスの影響で以前より増して農業の在り方が変わりつつあります。より一層、開発に努めていきたいです。

今後について

未踏で開発した受粉モジュールはHarvestXプロジェクトの一部として事業化に向け、引き続き研究開発を進めていきます。
もし、興味・関心のある大学・企業様がいらっしゃいましたら、ウェブサイトの問い合わせフォームからご連絡頂けると幸いです。

HarvestX ウェブサイト:https://harvestx.jp

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