もし武道館で潮崎豪vs中嶋勝彦が実現したら 【NOAH】
2005年11月5日、僕は父と日本武道館行った。今から16年前、僕はまだ5歳だった。
僕が幼いころ、父はプロレスをよくテレビで観ていた。幼かった僕は、単純に殴る蹴るが怖くて、テレビでプロレスがやっていると違う部屋に行って、プロレスを観ないようにしていた。
今考えると少しできすぎた記憶にも思うけど、緑のタイツのおじさんがいつもやられてばっかりだな、ってテレビを観て当時思ったのを覚えてる。いつも、一瞬しかプロレスを観なかったから、その人が強くてかっこいいってことを知らなかった。もちろん、それが誰でその人がどれだけヒーローだったかも、5歳の僕は知らなかった。
だから、武道館に連れて行かれた日も行くのが嫌だったけど、その日は母も用事があって、家で留守番できず、仕方なく父と武道館に行った。
自分の記憶にあるのは、武道館に入る前にたくさんの人が並んで入場を待っていたことだけ。プロレスを怖くて観たくなかった僕は、席に着いてからすぐに目をつぶり、そのままずっと寝てたらしい。だから、虎と龍の再会も火山の大噴火も観ていなかった。
もしあの日、ちゃんとプロレスを観てプロレスを好きになっていたら、今もプロレス好きなのかなってよく考える。2009年を乗り越えて今でもプロレスを観ているのだろうか。
実際それから、父にプロレスに連れて行かれることはなく、気がつくと我が家のテレビにプロレスが映ることもなくなった。
2009年のある日、家族でお台場の方へ向かう途中、たくさんの参列者が並んでいる横を車で通ったのを覚えている。
テレビで広島で起きたニュースが流れても僕の父は息子の前で、落ち込んだり、涙を流す姿を見せなかった。けど、いろんなことを知った今考えると、絶対に辛かっただろうなって思う。
プロレスのことを何も知らないでニュースを観た僕はプロレスって怖いなって思ったぐらいで、それがどれだけ悲しい出来事だったのかは、わからなかった。
父は今、プロレスを全く観なくなった。反対に、その息子の僕はプロレスばっかり観てる。父とたまにプロレスの話をすると、今のレスラーはああだこうだと、話していて楽しくはないので、父にまたプロレス観てほしいなとは思わないけど、プロレスの伝統や技術が受け継がれていくように、プロレスを応援するのも自分が父から受け継げばいいかなと勝手に思ってる。
今年の2月のNOAH武道館大会は、コロナやいろんな事情で行けなかった。なので、元日に武道館に行けたとしら、NOAH武道館大会に行くのは2005年11月5日以来となる。
およそ16年ぶりにNOAH武道館大会に行くなんて、感慨深いなぁ~なんて思っていたら、あるとんでもない事実に気づく。
2005年11月5日、NOAH武道館大会の第6試合が、小橋建太、潮崎豪組vs佐々木健介、中嶋勝彦組だったこと。もちろん、記憶は全くないけど、調べたらそうだったらしい。もし、元日のGHC戦がたくさんのNOAHファンが予想している、潮崎豪vs中嶋勝彦だったら、、!!!!!
もし実現すれば、2005年は小橋と健介のそれぞれの付き人だった潮崎豪と中嶋勝彦が16年後同じ武道館でベルトを懸けて闘うことになるし、その両方とも武道館に自分はいることになる。
これは奇跡だと言っても過言ではない気がする。。