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「母は現役JW。未信者だった父の葬式、こうしました」#3

で、葬儀社に事前相談に行ったわけで。

さて、あらかじめ電話を入れておいた葬儀社へ、事前相談に。「家族葬専用斎場」を掲げている、地元密着型の小さな葬儀社だ。

入口で「お電話した、いちごです」と声を掛けると、40代後半……いや50代かな……と見える男性スタッフが迎えてくださり、こちらへどうぞとテーブルへ案内された。

「長く患っている父親がいて、危篤だとかいうほど差し迫ってはいないのであるが、葬儀のことはそろそろ本気で考えておいたほうがよさそうであり、相談に来た次第であります! しかし葬式というものについてそもそもよくわかっておらんであります!」という意味のことを伝えた。

すると、当たり前だが、葬儀社の方は人生で初めて葬儀の相談に来てみた人ってものには慣れているから、まずはパンフレットを出してきて、葬儀プランの種類などを簡単にひととおり説明してくれた。

この葬儀社では、基本プランとしては3つあるとのこと。
・家族葬プラン
・直葬(火葬)プラン
・海洋散骨プラン

3つ目の「海洋散骨」はなんとなく知っていたが、「家族葬プラン」と「直葬(火葬)プラン」の違いって?と思った。

「実はやらなくてもいいこと」がある

さっそくまた話が飛ぶけれど、わたくし、仕事の関係で、親が倒れたり亡くなったりしたときのことをひととおり調べたことがあるので、この「そもそも」は知っておくといいと思う、ってことがあったのを思い出したので、書いておきたい。

人が亡くなったときの流れって

死亡!→通夜!→葬式!→火葬!→埋葬!(お墓)

って、あれもこれもとバタバタにやらないといけないんだろう、と思ってる人が多いと思う。てか、わたしもそう思ってた。

この流れは決して「間違い」ではないんだけど、絶対にやらなければならないこと(やらないと犯罪になるとか)と、やらなくても実は問題はないことが混じっている。

病院で亡くなる人が圧倒的に多いので(自宅や老人施設で介護していたとしても、最後に亡くなるときは病院にいることが多い)、その前提で言うと、
絶対にやらないといけないことは
遺体を搬送する(病院から、葬儀社なり自宅なりへ運んで安置する)
死亡診断書(死体検案書)と火葬許可書をもらう
火葬する
だけ。

通夜とか、(セレモニーの意味での)葬式とかは、やらなくても法律的には問題ない。
火葬はしないといけないけど(土葬も完全NGではないが)、「お骨(おこつ)」にした後は、お墓に埋葬するのはマストではなくて、骨壺のまま自宅などに保管してても、法律的には問題ない。
(ただし、お骨を庭に埋めるとかは犯罪。墓地など「お骨を埋めていい場所」にしか埋めてはいけない)

てことが事前にわかってると、「あ、なんか、意外とそんなにあせらなくても大丈夫かも?」って気持ちになると思う。

いざそのとき、最初にぶちあたるのは「遺体の搬送」どうするか問題

病院は病気の人を治療するところなので、つまり、生きてるかぎりは治そうとがんばってくれるけれど(ありがたいことです)、死んだらもう病院にとっては“お客さん”ではないのだ。あえて身も蓋もない表現で書いたけど、そういうことだ。
なので、臨終の宣告をされるとすぐに「ベッドを空けてほしい」と言われる。遺体をここから運び出してね、って意味だ。しかも、「1~3時間以内には……」って言われるのが普通。ひどいとかひどくないとかではなくて、生きてない人はもう病院ではどうにもできないので、まだ生きていて治療を待っている人のためにベッドを空けてねってことだから、それは当たり前なのだ。

で、事前に何も決めてないと、「遺体を出せって……、どこに……? 誰が……? 1時間以内って言われても……!」とパニックになったりするわけだ。
だいたいどこの病院も、つながりのある葬儀社があって、それでなくても身内の死にショックを受けている遺族がおろおろしていると、病院側に「アテはありますか?」と聞かれて、ないですって言うとその葬儀社を紹介してくれるのが一般的。

葬儀社が「では、お迎えに上がります」と言って、すぐに来てくれて、ではどこに運ぶかってなって……自宅?いやそれはちょっと……ってなって、葬儀社が「では、手前どもの安置室にお運びいたしますか」と言ってくれて、「お願いします!!」ってなる。そうしたら、その後の通夜や葬式など一切もそのままそこでお願いするか……ってなりますな、普通。

それでべつに問題はない。全然ない。
ないんだけど、これも「実は」があって、遺体の搬送を頼んだ葬儀社にそのまま葬儀も頼まないといけないってことは、ない
もし、病院と結託(?)してる葬儀社に運んでもらったけど、なんかちょっとイヤな感じだったな……みたいなことがあったら、遺体の搬送料や安置の利用料だけはもちろんお支払いして、その後の葬儀は別のところに依頼しても全然かまわない。

……だけど、それはやっぱり言いづらいのが普通だし、そもそも事前に決めてなければ急いで葬儀社を探さねばならない。

ということからも、やっぱり葬儀社は事前に探して事前に決めておいたほうがいいと思う。

●死亡診断書(死体検案書)と火葬許可書をもらう
●火葬する
これは、詳しいことはこのあと(話がちっとも進まないので、何回後になるかわからんけど……)の話で書こうと思っているが、死亡診断書は病院で亡くなった場合は医師が書いてくれるので、手続きなどは不要。
「死亡診断書」は「死亡届」と同じ用紙(つながっている)で、死亡届に必要事項を記入して市町村役場に提出すると火葬許可書が発行される。
死亡届の提出は葬儀社が代行してくれるのが一般的。
火葬は、これはたぶん説明不要だと思うが、火葬場に申し込み(葬儀社が代行してくれる)をして、当日、火葬して、お骨を受け取る。ここまで一連の流れを葬儀社でやってくれる。

で、「直葬」って何?なんだけど

それで、
・家族葬プラン
・直葬(火葬)プラン
・海洋散骨プラン
があって、「家族葬プラン」と「直葬(火葬)プラン」は何が違うんだ?って思った、ってとこまで話を戻すと、
「直葬」というのは、文字通り、亡くなった病院(もしくは自宅)から火葬場へ直行して火葬する、ということ。火葬場がそのとき空いているともかぎらないし、亡くなったのが病院なら、いわゆる通夜はしなくても多少なりとも「お別れの時間」的なものをどこかでとるのが一般的。
地域にもよるようだが、火葬場はけっこう混み合っているのだそうで、亡くなってから火葬まで数日は待つことが多いそうだ。
もちろん、その間いったん自宅へ運んで安置しておけば「直葬」プランでいいのでは?ではあるのだけど、火葬までの数日間、遺体の状態を保つためには室温管理やドライアイスなども必要なので、そういったいろいろを考えると、直葬はあんまり現実的ではないかな、っていう判断になるのが一般的だろう。

亡くなった場所から搬送してもらって、火葬の日までは葬儀社の部屋に安置してもらい、火葬当日にごく簡略なセレモニー(火葬式)をしてから火葬場に行き、火葬が終わったらお骨を受け取る……までを含むのが、「直葬プラン」にちょっとプラスした感じになる「火葬式プラン」だとのこと。そして、さらに通夜を加えたのが「家族葬プラン」ということだった(以上の呼称はこの葬儀社では、の話。「家族葬」の定義はいろいろだと思う)。
ちなみに、葬儀社で安置してもらってる間は「ドライアイス代」として日数分の料金が加算される。
(「3日くらい待つことになるケースが多いです」とのことだったが、結果的に、父の場合は年明け早々に亡くなったため火葬場に全然空きがなく、火葬まで9日間待った。寒い時期だったとはいえドライアイスいらないですってわけにはいかないし、ドライアイス代となっているが実際のところこれは遺体の保管料ってことなので、これは必要な料金だ。むしろ「9日間も預かってくださってありがとう」と思った)

またまた「事前相談に行った」の話の入口くらいで止まってるけど、続きはまた。。。

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