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【重要物流道路】国道175号

国道175号は、瀬戸内海に面する兵庫県明石市と、日本海に面する京都府舞鶴市を結びます。今回取り上げるのは主に兵庫県の中央部を縦貫する区間で、兵庫県小野市にはDPL小野、京都府福知山市にCPD福知山など、賃貸物流施設のマーケットが良好なこともあり、最近はこのあたりでも賃貸物流施設の開発実績がみられます。

 国道175号の沿線では播州三木打刃物に代表されるように、古くから金物を中心とした製造業が盛んで、国の伝統的工芸品に指定されているものもあります。多可町には鍛冶屋という地域があり、鉄道も通っていたほどでした。また、小野市は日本一のそろばん生産地で、播州そろばんとして知られています。電子化が進み需要が激減していますが、生産地が少ないこともあり、70%という圧倒的なシェアを占め、市内には巨大なそろばんのモニュメントも設置されています。

また、全線を通して日本時間の基準となっている東経135度(標準時子午線)に近く、なかでも北緯35度との交点である西脇市には日本へそ公園として、日時計やプラネタリウムも整備されています。日本のへそには捉え方によって諸説あり、全国に「日本のへそ」として名乗り出ている自治体が複数あります。互いに「日本のへそ」は譲らないのかと思いきや、全国へそのまち協議会が設立され、案外横のつながりもあるようです。

京都府との県境の丹波市では「石生(いそう)の水分(みわか)れ」という、日本一標高の低い分水嶺があります。分水嶺とは、降雨が川となって流れていく向きの境目にあたる点で、丹波市石生を境に日本海、瀬戸内海それぞれに川が流れています。通常は山の中にありますが、ここでは平地に分水嶺があり、市内の水分れ公園では手軽に見ることができます。

国道175号は神戸とベッドタウンをつなぐ幹線道路としての性格が目立ちますが、この沿線は豊かな自然とそれに裏付けられた伝統産業が盛んな地域でもあります。神戸から少し足を延ばして、港町とも一味違う兵庫県の魅力に触れてみるのはいかがでしょうか。

国道2号線との交点「和坂交差点」の0km標識(兵庫県明石市和坂稲荷町)

本稿は株式会社一五不動産情報サービスが運営する、開発が相次ぐ賃貸物流施設に関する情報を集約したウェブサイト「一五蔵」のメールマガジンで投稿されたコラムです。
一五蔵
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