【重要物流道路】国道24号
国道24号は京都と奈良という二つの古都を結び和歌山県に至る国道で、全線が重要物流道路に指定されています。起点の京都市下京区にある烏丸五条交差点から、京都市内を南下していき、物流施設が多い久御山町で国道1号を通り抜け、物流立地としてのポテンシャルが高まっている城陽市で、新名神高速道路と交差します。城陽市では三菱地所や東急不動産によるインターチェンジ直結の次世代型基幹物流施設の開発がありますが、城陽スマートIC(仮称)近くでは、(仮称)京都城陽プレミアム・アウトレットの開発も進んでおり、郊外に物流と商業の巨大施設が相次いで誕生する見込みです。それぞれ新名神高速道路の整備に端を発する巨大プロジェクトですが、近くを縦断する国道24号の交通量も(乗用車を中心に)ぐっと増えるでしょう。
二つの古都を結ぶ国道24号ですが、道中は一般的な幹線道路と大差なく、ラーメン屋などのロードサイド店舗が立ち並び、ところどころで渋滞が慢性化しており、特に奈良県に厄介なポイントが多いです。道路の改良率と混雑度を総合評価する道路整備率という指標があるのですが、奈良県の一般道路(国道+県道)の道路整備率は約32%で全国ワーストです(令和6年3月発行「ならの道」より)。奈良県では幹線道路であっても4車線化の整備があまり進んでおらず、国道24号では奈良市周辺は4車線化が進んでいるものの、その他市区町村では2車線(片側1車線)がまだまだ多いです。遺跡が多い古都での土木工事にはさまざまな難しさはありそうですが、渋滞は環境悪化や事故にも繋がりやすく、そこで暮らす人々の大きな不満にもなりますので、少しでも解消されてほしいものです。
ちなみに国道24号と同様に、京都府、奈良県、和歌山県を結ぶ高規格幹線道路(自動車専用道路)として京奈和自動車道がありますが、国道24号のバイパス事業として整備されており、未開通区間は奈良北IC~郡山下ツ道JCTと橿原北IC~橿原高田ICで、両区画とも奈良県です。関西圏では大阪府を中心に、放射状の道路はしっかりと整備され、物流もそれらの道路を活用するケースが大半ですが、国道24号のバイパスである京奈和自動車道のミッシングリンクがなくなれば、関西圏の有力な環状線のひとつとして機能することが期待できます。
本稿は株式会社一五不動産情報サービスが運営する、開発が相次ぐ賃貸物流施設に関する情報を集約したウェブサイト「一五蔵」のメールマガジンで投稿されたコラムです。
一五蔵
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