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【重要物流道路】国道232号

国道232号は日本海沿岸をなぞるように北海道北部(道北)の留萌市と稚内市を結ぶ路線です。オホーツク海沿岸をなぞる国道238号、内陸部を縦貫する国道40号と並んで、道北の道路ネットワークを形成しています。札幌と日本最北端の街・稚内を最短距離で結んでいることから、高速バスは当路線を経由して運行されます。なお、全長約130kmの道路ですが、天塩郡天塩町の天塩大橋付近から稚内駅前にかけてのおよそ50kmは国道40号との重複区間です。

北海道らしい開けた景色の向こうに、利尻島、礼文島、天売島などの離島が見える、道内でも珍しい路線です。加えて湿原、丘陵地など地形にも富んでおり、ドライバーを視覚的に楽しませてくれます。実際に筆者が訪れた際も、風に吹かれながら爽快に走る、数多くのライダーを目にしました。

ニュースなどで人里に降りてくるヒグマを耳にしますが、苫前町の三毛別集落では大正時代に死者7名を出した凄惨な熊害事件が発生しています。跡地には家屋やヒグマの模型が再現されており、事件から100年以上経過した現在も人類にとってヒグマは脅威であり、共生することの難しさを訴えています。

羽幌町は海産物の街で、同じ日本海側の石川県出身の入植者によって開拓され、明治期にはニシン漁、昭和期には炭鉱の稼働によって賑わいました。炭鉱閉山によって人口は半減しましたが、今でも甘えびやウニを扱うお店がロードサイドに立ち並んでいます。なかでも甘えびの漁獲量は日本有数で、丼、カレー、パスタソースなど多様な食べ方で味わうことができます。

漁業や採炭業で栄えた近代遺産が目立つエリアですが、天塩川によって形成された天塩港は、北前船の寄港地として江戸時代から開かれていました。上述の羽幌町のように北陸や東北といった日本海側との繋がりは、北前船による交易がもたらしたようです。出来れば晴天の日に、古くからの重要物流道路を駆け抜けてみてはいかがでしょうか。

国道232号(オロロンライン)と日本海(北海道留萌市三泊町)

本稿は株式会社一五不動産情報サービスが運営する、開発が相次ぐ賃貸物流施設に関する情報を集約したウェブサイト「一五蔵」のメールマガジンで投稿されたコラムです。
一五蔵
https://cloud.ichigo-re.co.jp/lp


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