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#創作一句~小さな出会い~
1円で一週間の疲れとぶ
夕方のスーパー、会計に並ぶわたしの前に2歳前くらいの坊っちゃんとママがいた。
坊っちゃんは、レジの男の子に向けて1円玉を渡そうとしている。ママのお釣りをもらったであろう1円を小さな手に握りしめて「はい」を繰り返しているがレジの男の子は気づいてないのか一心にわたしの食料をレジに通している。
ママがみかねて「ママにどうぞして」と言うが坊っちゃんはママじゃないとばかりに首を振るので「ほなら、おばちゃんにちょうだい」と声をかけると「はい!」と可愛いお手々から1円を渡してくれた。
これがしたかったのよねとママと顔を見合せて気付かれないように1円を渡すと、坊っちゃんが怪訝な顔をして見ているので「ボクが賢いからママと握手やねん、ボクも握手しよか」と言うと笑顔で応えてくれた。
満足して坊っちゃんは帰り、我に返るとレジは済んで待っていてくれた。
「お待たせしてごめんね」「いえ、僕こそありがとうございました。」後ろに並ぶおばちゃんもニッコリしてる。
小さな可愛い坊っちゃんが夕方の慌ただしい買い物を暖かい空気に変えてくれた。そんな日常の1コマでした。