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山茶花の思い出

 というほどのことではないが、拙企画の決勝戦のお題写真が山茶花だったことから…。

 親友HちゃんとIちゃんは、とても美しい字を書く。
そのことを知ったのは、書道の授業でのこと、題は『霜枯れ山茶花』だった。

貼り出された習字を見て、なんと綺麗な字を書くのだろうと子供ながらに感動するほどふたりの習字は抜きん出ていた。
 書道の教科書に載ってるように、止めや払いがピシっとしていてバランスの素晴らしく良いIちゃん、美しいながらもふんわり優しげなHちゃん。
もちろん書道教室など近所にはない田舎なので元々持って生まれた資質なのだろう。
Hちゃんの年賀状は通信面こそパソコンになったが、宛名は直筆。

 そういやワタシ、字の綺麗な男性がタイプだったな🤭
なんてことを思い出し、同級生でも抜群に『かしこ』だったTくんを思い出していた。
人柄そのままのおおらかな字を書く数学の得意なひとだった。

HちゃんもIちゃんもTくんも中学校では同じ吹奏楽部で、創設メンバーだったこともあり皆仲はよくて。かしこのTくんは、もちろん地区イチの進学校へ行き、かしこのまま九大へ進学したと聞いた。

 先週の金曜日…。そろそろ寝るべと思う頃、HちゃんからTくんの訃報を聞いた。
闘病中というのは風の便りに聞いていたけれど、まさか…とその夜は思い出話で遅くまでLINEのやりとりをしていた。

人柄そのままのおおらかな字を書くTくんはたまに突拍子もないことを言い出しては笑いのツボに陥れてくれたり、次はこれを演奏したい!と各パートごとの楽譜をどこで買ったのか配ってくれたり…。
いくら思い出しても怒った顔を見たことがなかった…。病から解放された今安らかに眠ってね。

 山茶花から様々なことを思い出した今日でした。

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