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男は狼なのよ

と言われて育った。
母は心配症が服を着て歩いてるような人で
なにかとやかましく男女交際は特に。
未だ忘れられないエピソードを

中学生になり朝夕1本ずつしかないバス通学
ある日、帰りのバスに乗り遅れたわたしと友だち。
同じ方向だからと先生が家まで送ってくださったが家に入ると
「何もされんかったか?」
はい?意味がわからずキョトンとしていると
「軽々しく車などに乗って、密室で何があったらどうする!!」とご立腹であるが山の中を徒歩で帰る方がよっぽどと思った。

中学の部活は吹奏楽部、同級生は女子4人、男子5人そして皆仲良しだった。
卒業を控え、記念にどこかに行こうという話になり『高校大パニック』という浅野温子さんが主演の映画を観に行く事にした。
しかし楽しみの前にそそり立つ壁。
他の家庭は「記念だから楽しんでいらっしゃい」とOKがでたのだが…。
「男女で映画なんて!何かあったらどうするの!!」
何かがナニか知らんけど一人余りますよとは言えなかった。
私は行けないから皆で行ってきてと話すと、それじゃ私が可哀想だと女子は行かずに男子だけで行きお土産を買ってきてくれた。

高校生になり、夏休みになると皆アルバイトを始める。母は家計の足しにバイトをさせたかったようだが父の反対にあいバイトの経験もなく退屈な夏休みを過ごした。

そんな時にNSPの『17歳の詩』に出会って
そうよそうよ!そうなのよ!とよく弾いていた。

親になって、親の気持ちも少しは理解出来るようになった。
狼(?)を二人育てて
その時の雰囲気に流されて取り返しのつかないことをしないようにとは言ったけど後は制限を設ける事もなく好きにさせている。

自分の自由って無かったなぁ
したいことあっても先に諦めていた
そんな私の分まで
伸び伸びしてくれたらいいやと思いながら。

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