詩 あなたはだぁれ?
顔も知らないこの人は
夢にでてくるその人
エレベーターのドアから
まっすぐわたしに近づいて
何も言わずに
肩を引き寄せる
知らないその人なのに
その身をあずけて
並んで歩く
顔も知らないこの人と
あるとき海辺の石段で
日暮れの海を眺めながら
貝がら耳に糸電話
波音だけが
聴こえる貝がらは
わたしにだけ
やさしい声が語りかける
あなたはだぁれ?
どこから来たの?
問えば夢から覚めそうで
問えば消えてしまいそうで
貝がら転がし
ひとりあそび
つぎはどこで会えますか?
草っぱらに寝転んで
雲のかたちの不思議を語り
一番星をみつけませんか
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