詩、たなばたの後に
やはり彼は来なかった
天の川のほとりで待っていたのに
慎重な彼は来なかった
年に一度の逢瀬を
指折り数えて待ったのに
いつもこの日に降る雨が憎い
最後に会ったのはいつなのか
一昨年だった気がするわ
その日の記憶を反芻しながら
また一年(ひととせ)待つの?
他に彼が想うひとが現れたら?
嫉妬に狂ってしまうかしら
いっそこんな想いを絶ちきって
違う道を歩けたらいいのに
ふたりを隔てるこの川は
幅や深さで測れない
年に一度
気持ちの揺るぎのないことを
試すために流れゆく
ひとつになれる日が来ると
確かな思いができるまで
天の川のほとりで
わたしはここよと
火を熾こして待っているわ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?