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いつか本にしたかった教官の話

ツインの彼と出会ってから度々思い出す、21歳の時に強烈に惹かれた教官のこと。
会えていたのはほんの5か月程だったのだがその期間の出来事があまりに強烈すぎて、『この話をいつか本にしよう…』とタイトルまで決めていた。

遠目にチャラそうな教官がいるな…と勝手にいけすかない印象を抱いていたその人に、初めて教習で当たった日、手を触られた瞬間電撃が走ったようになって教習後にトイレに駆け込んだ。動悸が止まらなかった。
その後会う度にみるみる仲良くなっていき、音楽の話などでも意気投合した。
彼と会えない間も頭から離れず、起きてから苦しくてのたうちまわっていたこともあったーーー
あまりに辛かったのでこんな想いは無効10年は御免だと思っていたら
本当にそうなった。

大学の講義中に動悸が止まらなくなったら、送迎の車の運転手が彼だったこともあった。今と同じようにスピっていたのだ。
そして数カ月が経ち、彼が教官をやめることになる。
私が卒業の検定を受ける前が退職日なので見届けてほしいと思って
「私が試験受ける日に来てください!」とお願いすると、なんと休みの日だからプライベートで来ると言ってくれたのだ。

そしてその当日ーーー私はなんと、寝坊する。

彼は生徒と連絡先の交換はしない主義らしく、私は彼と結局会えないまま何のつながりもない状態になってしまったのだ。
それからも少し物語は続くのだがーーー
今のツインの彼との状況がかなり酷似している。彼は今月でスクールを辞めるらしいのだ。だから私は彼の最後のレッスンを見に行くことにした。
そこが彼と会える可能性がある最後の日である。
実は私が寝坊した教官に会えなかったその日も9月だった。
あまりのシンクロに驚いている。やり直しという意味なのだろうか。

でもその教官は一体何だったのだろうか?
今の時代だったら絶対に彼がツインレイと思っている。あれは練習で今回が本物なのか…私にはまだ分からない。

当時は私が熱烈に恋をしてると思っていたけど、今思うと彼はいつも私を見つけて駆け寄ってきてくれたし、他の女の生徒と話していても切り上げて私のところに来てくれていた。休日にわざわざ来る約束もしてくれた。相当好意を持ってくれていたかもしれない。
私が生徒でなければどうなっていただろうか。
私が寝坊をしなければ教官でない彼と初めて会えたかも知れないのに、それは二度と叶わないことになった。

運命だったのだろう。

ツインの彼がスクールを辞めると、初めてクラスメイトではない関係になる。そうしたら何か変わるかもしれない。

ひとまずは寝坊しないことを祈ろうと思う。

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