ダミアン・ハースト展 所感:近代絵画へのオマージュと現代美術からの脱却
穏やかな絵?SNSでダミアン・ハースト展の広告が流れてきた時には、ものすごく穏やかな絵を描くようになったんだな、とびっくりした。でも実物を見てみると、穏やかとは程遠い荒ぶった筆致で、パワフルで、その点では良い意味で期待を裏切られた。
ダミアン・ハーストといえば新しい素材や技法を制作に取り入れてインパクトを生み出す現代美術家というイメージだったが、今回は技法的には新しいものではなく、むしろわざと伝統的な手段を用いているという印象を受けた。絵画史へのオマージュと再構築といった様相