(JSC top8入賞)青白エンチャント奮闘記(一部デッキガイド的なものあり)
※全文無料で読めますが、有料部分を設けてみました。「おもろいやん」と思ってチャリンとしていただけたら、書いた人間が喜びます。
・はじめに
みなさんこんにちは、一限と申します。この度、ジャパンスタンダードカップトップ8入賞という、自分でも望外の成績を残すことができました。簡単にではありますが、自分の振り返りも含めて記録を残しておこうと思います。
・ジャパンスタンダードカップに出るまで
※自分語り、日記です。興味のない方は飛ばしてください。
実をいうと当初スタンダードカップに出るつもりはなく、モダンオープンにだけ出ようと考えていました。
そんな中、所属しているチーム(町田mtg)のメンバーであるほーるき君(現川崎晴れスタン提督、神決top8経験者)と、その友人であるやなた君(ストチャンサーガ保持者)がラストチャンスに挑戦して、ダメだったらスタンオープンに出るという話を聞きました。
同じくメンバーであるkouheyさんもオープン出場の意思があり、ラスチャン応援も兼ねて車で前日入りすると聞いて、それならと同行を申し出ました。これがコンベンション一週間前の話なので、我ながら良い判断だったと今では思います。
静岡行きの車内ではひたすら喋り通し、それが自分の思考の整理にも繋がりました。特に、自分の得意なプレイスタイルについてある程度の指針が持てたことは、今回の成績にも強く結びついていると思っています(その節はありがとうございました!)。
ラスチャンではほーるき君が早々に沈み、スタンのデッキは?と聞くと「情のひでつぐで〜」などと訳の分からないことを言っていたので、2回ほど今回のデッキで粉砕して正気に戻し、調整を手伝うことに。私はひたすら「実家で猫を飼うんだって!」と連呼していた記憶しかありません(猫については後述)。最終的にかなりいい手応えのデッキが完成し、終盤は負け越していたので(頑張れ〜)と(当たりたくねぇ〜)の気持ち半々で当日に臨むこととなりました。
余談を重ねますが、調整後にさわやかでハンバーグを食べることもできたので、気持ちの上ではこの時点で「勝ったな」と思っています。
・環境の分析
現在(2024/10月時点)における主流なデッキといえば、理不尽ともいえる爆発力で2ターンキルすら可能な、『残響の力線』を有する赤いアグロデッキです。このデッキと戦えるかどうかは、デッキを組む上で常に意識していました。また、素晴らしい指南書が出回っているメンターを始めとした墓地を利用するデッキや、白系コントロールや版図ランプに代表される『太陽降下』を採用したデッキも、無視するわけにはいかないと考えていました。
・デッキ選定
上記の環境をふまえた上で、私が握ることにしたデッキは青白エンチャントでした。
今回使用したリスト
理由は大きく2つあり、『天上の鎧』『幽体による庇護』を主軸とした高打点の先制魂絆ビートが環境に刺さると感じた点と、『精体の追跡者』『永劫の好奇心』を主軸としたハンド枚数で戦うプランで、長期戦を戦うことができる点でした。個人的には、現在のモダンの指輪入りボロスエネルギーを回した時に近い感覚があると思っています。
私はデッキ選定の重要な判断基準として、ホーム(TSUTAYA西友町田店)のフライデーで3-0できるかを重視しているので(本気で環境の最先端だと思ってます)、欲を言えばこのリストで一度出ておきたかったのですが、似たリストで勝つことはできていたので、今回はとりあえずよしとしました。
エンチャント(オーラ)デッキはダスクモーンが出てからいくつか出てきていて、殆どのリストで『破片魔導士の救出』や『フェイの飛行』が採用されていました。今回青白エンチャントでtop8に入賞された樋田さんのリストがこれに近いので、比較するとわかりやすいです。
樋田さんのリスト。守り切って殴り勝つ、呪禁オーラの系譜。
自分には上記のカードを十全に使いこなすことは難しいと感じたことと、オーラばかり引いてしまった時が厳しいと感じたことから、当初は色を足してこれらの枠にケイリクスやズアーを入れて試していました。
それぞれに強みはありましたが色事故が気になり、長丁場を見据えて最終的には青白の2色になりました。『救出』『フェイ』も取らず、その分をデッキの「太さ」を出す部分に回しています。マナカーブ的には4マナが最大ですが、軽減込みでチェインコンボ的に動く場面もあり、起動と誘発持ちのクリーチャーがいるため、土地は24枚にしました(一般的リストだと23)。
クリーチャーがほぼ人間と光霊なので魂の洞窟も2枚採用し、ミシュラン対策に解体爆破場も1枚採用しました。全除去の返しを詰めるためにミシュランも2枚採っています。
・デッキの回し方(自分の場合)
基本的にはマナカーブ通りに展開して殴ります。3ターン目に猫が着地する動きが強いので、『知りたがりの光霊』or『偏執的な援護者、ステン』のメダリオンクリーチャーを優先的に展開しました。
3ターン目以降はインスタントや瞬速持ちを構え、相手の動きに対応するクロパモードと、鎧や庇護で盤面やライフを取りにいくビートモードを選択しながら戦います。相手が遅そうならクロパ、速そうならビート優先を意識しました。『静かなる広間這い』『永劫の無垢』は追加のドロー枠としての役割を大きく見ていたので、基本はなるべくドローできるようにプレイしました。『呪文書売り』は違和感持ちとシステムを作れる器用さがあり、占術で不用牌を弾ける便利枠として1枚採りました。
『喝破』は全除去を撃ってきそうな相手には温存、そうでなければ腐る前に撃つ程度にざっくり決めて運用しました。
また、お互いに肉を並べあった際に場が膠着することがあったので、その際は広間這いを育て、一撃で殴りきれるまでゲインで耐えながらドローを続けるプレイでカバーすることに決めました。
サイドボードも長丁場用になるべく単純化しています。速い相手に除去とトークン生成、遅い相手に打ち消し、墓地対策と置物対策、とシンプルな構成にしました。
・当日の対戦の記録
1回戦:赤単力線(よしひろさん)先⭕️❌⭕️
初戦からなかなかお相手が来ず、少しそわそわしていたところによしひろさんが表れて自分の前に来たので、驚くと同時にとても得した気分になりました。しかも仮想敵に定めていたデッキを使用されていたので、この一戦で今日を占うつもりで臨みました。
1戦目は力線を貼られたものの、物漁り→庇護→鎧が決まって勝ち。
サイド変更:喝破4、ステン→骨化3、グレムリン2
2戦目、お互いにドローが渋く、押し込まれて負け。
サイド変更:グレムリン1→ロラン1
3戦目、力線を貼られて初撃で7点持っていかれたものの、返しに庇護と鎧を付けて殴り返したところで投了いただきました。
終わった後にパックをいただいてパシャリ。このポストへの引用リポスト、top8入賞の引用リポストより見られてました。インフルエンサーってすごい!
余談
このとき隣で樋田さんが試合をしていて(あれ、もしかして青白エンチャント流行ってる……?!)とちょっと嬉しくなりました。実際の使用者は246人6人だったそうで、それで隣り合った2人がtop8に残るのも面白い話だと思いました。
閑話休題
2回戦:赤緑力線 後❌❌
1戦目、クリーチャーを展開された後、一気に削られて負け。
サイド変更:喝破4、ステン→骨化3、ロラン2
途中36点までゲインするも、その上から削り切られて負け。「このマッチ練習してました〜。知り合いが調整して3人くらい持ち込んでるんですよね〜」とコメントいただき、(あちゃー、もうそこまで研究進んじゃってるかー)と内心諦めの境地でした。
続・余談
試合が終わってから樋田さんがやってきてお相手の方と話していて、1戦目が隣で親近感を覚えた旨を伝えた際「僕も内心応援してましたよ」とコメントいただいたので、負けはしたものの(ありがてぇなあ)と「良さ」を噛み締めていました。
続・閑話休題
3回戦:赤緑not力線 先⭕️⭕️
同型に強くするため、力線を取っていないタイプとのことでした。1戦目2戦目ともにある程度削られるものの、庇護鎧で巻き返して勝ち。
サイド変更:喝破2、精体追跡者1→骨化
4回戦:青黒ミッドレンジ 後❌⭕️⭕️
新しい魁渡やフラッドピットの溺れさせが採用されていて、ダスクモーン盛り盛りの意欲を感じるデッキでした。
1戦目、妨害でテンポを取られて押し切られて負け。
サイド変更:鎧4、プロフト→骨化3、グレムリン2
2戦目、庇護ビートが決まって勝ち。
サイド変更:無し
3戦目、グレムリンで膠着した盤面を作った後で、精体でドローし続けて勝ち。
5回戦:赤単アグロnot力線 後❌⭕️⭕️
『叫ぶ宿敵』が採用されていて、なかなかやりづらさを感じました。
1戦目、緩めのキープを速やかに削り切られて負け。
サイド変更:喝破4、プロフト→骨化3グレムリン2
2戦目、叫ぶ宿敵を庇護で追放して殴り切って勝ち。
サイド変更:無し
3戦目、途中で宿敵の能力が決まってライフ5まで削られるものの、先に削り切って勝ち。
6回戦:赤緑力線 先⭕️❌⭕️
1戦目、庇護鎧で勝ち
サイド変更:喝破4、プロフト→骨化3、グレムリン2
2戦目、力線からのブンで死。
サイド変更:無し
3戦目、魂絆は無かったものの、先に削り切って勝ち。
7回戦:青白緑毒性 先⭕️⭕️
このデッキにも庇護が採用されていて、最初に撃たれた時は完全に意識外だったので、目玉が飛び出そうな位驚きました。
1戦目、毒9まで押し込まれ、31点までゲインされたものの、削り切って勝ち
サイド変更:喝破2、鎧1、プロフト、精体追跡者1→グレムリン2、ロラン3
天上の鎧で16打点を作り、ひたすら殴り続けて勝ち
8回戦:赤緑力線 後⭕️⭕️
フィーチャーマッチでしたが、配信はされなかったようです。初手でステンを見せつけることができたので、見返せなくて残念。
1戦目、残2まで削られるものの、先に削り切って勝ち。
サイド変更:喝破4、プロフト→骨化3、グレムリン2
2戦目、庇護鎧が決まって勝ち。
9回戦:ID(小山内さん)
idを提案しようと思っていたので受けてもらえるか不安でしたが、小山内さんからidの提案をされたので、ほっとしながら了承しました。
その後デッキを聞いてみたところ「グルールです」と返ってきたので、さすがに笑いが出ました。
続々・余談
デッキをチェックに出して横を見ると樋田さんがいたので「おかげさまで〜」と挨拶させていただきました。
id後は自分が残っているか不安になり、緊張して精神が乱れて難儀しました。これを何回も繰り返している方々はすごいな、と心から思ったことを今でも思い出します。
top8が確定して名前が呼ばれた時も、まだ緊張が抜け切っておらず迫真の表情で配信に映ってしまい、その様子をメンバーに切り取られ、送られてきた写真を後で見て「幕末の人ですやん」とみんなで爆笑する、ということがありました。緊張していた分、写真撮影ではなるべく全力で喜びを表現してみました。
続々・閑話休題
準々決勝:青白メンター(川口さん)後❌❌
この試合からはリスト公開制だったので、事前にお互いのデッキを把握しての戦いでした。
この際、日本語と英語の紙リストが渡されたのですが、なぜか一部の日本語カードが英語になっていました。そのせいで川口さんが「全然わからん……rip3枚?!」「もう紙見ても全然わかんないんで、直接デッキ見ていいですか?」とかなり狼狽していたので、ちょっとかわいそうなことになってるな〜とは感じました。
1戦目、残り4まで削るものの、上から一気に削られて負け。
「たまくつあるの見えてなかった……ちょっと待って……」とサイド変更中に川口さんが呟いているのが聞こえてきたので、(今の言葉だけでも、たまくつ積んできた甲斐あるな〜)としみじみしていました。
サイド変更:喝破2、鎧4→安らかなる眠り3、ロラン3
2戦目、1戦目と同じく残4まで削ったものの、メインサイド合わせた4枚の『失せろ』を全て撃たれ、耐え切られて負け。
負けはしたものの、246人の中でtop8に残ってマネーフィニッシュと次回ファイナル権利獲得。今の自分としては十分すぎる結果で、実に清々しい気持ちのまま、その足で翌日のモダンオープンをキャンセルできるか聞きに向かいました(大丈夫でした)。
・戦いを振り返って
大前提として、全体を通して運が良かったなと感じました。スイスの6/8(正確には7/9)が赤系のビートダウンデッキと当たり、残りの2デッキも細かいクリーチャーを並べるタイプのデッキで『幽体の庇護』が効果的に使えたのは幸運だったというほかありません。
最後のメンター戦に関しては、土地引きが若干続いたことは事実ですが「鎧は残して、広間這いの高打点目指すべきだったかな〜」などと振り返る点も多かったので、今後の参考にしていきたいと思います。
また、青白エンチャントというデッキ自体が、まだそれほど知られていないと感じた部分がありました。それはつまり「わからん殺し」の余地があり、そのぶん戦いを有利に進めることができたということに他なりません。(予選で唯一負けたマッチは、今回同じく青白エンチャントでtop8に入賞された 樋田さんと同じチーム?の方で、よく研究されていました)。
今回自分がその「いい席」に座ることができたのは、普段の練習環境あってのことだと思います。それに加え、個人的には「本番は明日のモダン!、今日は3回負けたら即切り替えて練習練習!」という意識だったことも、結果的に肩の力が抜けて自然体でやれたのかな、と今では思います(本気で勝ちに来て、しっかりと結果を出せる皆様に関しては、もちろん大尊敬です)。
最後に
次回のファイナルやラストサンに向けて、今後は少しでもモダンの練度を上げておきたいと考えています。それまで引き続き、チームのメンバーや普段練習していただいている皆様とも切磋琢磨していけたらいいな、と思っています。
つまり、
「みんなありがとう、そして今後ともよろしく!」ってこと!
以上を持ちまして、締めの言葉とさせていただきます。読んでいただき、ありがとうございました。
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