大学院の講義でまさかの胡散臭い自己啓発セミナーをやるのかと思って謎に冷や汗をかいて聴いていました。色々な意味で震えるぞハートなかんじです。
この記事について
こんにちは、平塚です。この記事は、武蔵野美術大学大学院造形構想研究科修士課程造形構想専攻クリエイティブリーダーシップコース(以下「本研究科」といいます。)の科目である「クリエイティブリーダーシップ特論」(以下「CL特論」といいます。)における令和3年5月24日(月)に開催されたCL特論の第7回のエッセイです。最前線でご活躍される方の連続講演イベント第7回のスピーカーは、花まる学習会を運営されている株式会社こうゆう(所在地:埼玉県さいたま市浦和区常盤9丁目19番10号)の代表の高濱正伸様です。相変わらず無知で申し訳ないのですが、あとで知りましたが、「合格のための塾」ではなく「子供がたのしく学べる塾」を経営されているとのことでした。
講演内容について
今日のテーマはですね、「こころ」ですね。「わかる」とか「情報」とか「知ってる」とか、そういうところで世界を理解しようとして不幸になっているんだなって。
あー、えーと、タイトルも含めて普段は絶対に言わないような大変失礼なことを言ってしまいますが、ご講演の最初のほうは弁護士業務ではおなじみのリアルワールドのアングラ世界でよく見かけるマイルドヤンキーテイストの男性の方が脳の機能局在説っぽい内容から入っていくうさんくさい自己啓発セミナーのような様相を感じ取ったので、正直、「このスピーカーのチョイス、大丈夫かな」とか、「さすがにこれは…」とか、そういうことを、本当に、マジで、ものすごく、真剣に思いながら拝聴しておりました。冒頭付近のお話については。東大院卒で学科の客員教授もされている方なんですけれども。
しかし、よくよく聴くと、たいへん本質的なお話で、自分の正負の感情との向き合い方、自分の本音との向かい方、みたいなことがご講演の中心的テーマでした。考えるじゃない、感じるんだ。こころで見なくっちゃ物事は見えない。そんなかんじ。たぶん厳密に理詰めで理解しようとしたらいけないんだと思います。あとは、そういう話し方をされているのは子供を相手にする仕事だからなのかもしれません。
「言えばわかる」。これが落とし穴なんです。わかるかわからないかで世界を全部処理しようとしている。感じるか感じないかというところにいってないもんだから、痛い目に遭っている。これがですね、ほとんどの世界のうまくいかない具合がそうだなと。この図ですべてが語れるくらいです。我々は自分のこころを俯瞰して、ちゃんと掴む。自分の心にちゃんと問いかけて答えを出せばいいのに、みんなもいい、いいと言ってるからいいよねと言っちゃう。つまり、みんなにあわせるという情報処理だけをしていて、本当の自分が感動したものがわからなくなる。
はい、とても耳が痛いですね。
日本中でランキングみたいなのがあるでしょ、就職ランキングみたいなのが。偏差値とか、点数とか、期末テストで何番とか。わかりやすい順番を付けられる仕組みになっているんですよ、いまのこの世界って。それはたぶん群れでぱぱぱっと仕分けするのに必要だったってことだと思うんだけど、その仕組み自体は。個人として翻弄されてんじゃねぇぞってことを僕は言いたい。誰が何と言おうと「俺はこれが好き」ってことをね、本当に言えるかっていうことが大事で、そこをやっぱり見誤るんですよね。
翻弄されまくりですね、法曹界。やれやれだわ。
高濱様は「山ほどの夫婦を見ている。夫婦は幸せになれる」とお話されており、そこそこの数の離婚調停やら離婚交渉やらを見た私としても、そのあたりの話はとても共感できました。見る光景が似ていると似たような発想にもなってきますね。至る境地は同じようなところになってきます。もっとも、法律事務所に来るような状況ではもはや取り返しがつかないような域に至っていることが大半なので、私のサイドからは関係改善のご提案は難しいのですが。男女のすれ違いはかなしいですね。ああ、何の話か脱線しましたが、高濱様が「自由研究」や「関心」と呼んでいるもの、もう少しデザインの領域に引き寄せて言い換えると「観察」の話です。その具体的なケースが「配偶者」ということですね。読者の皆様におかれましては、私がこの記事で何を言いたいのか、そのあたりは感じてください。
ご講演を感じた結果
今回のご講演はデザインの観点から整理すると何ですかね。いや、もともとご講演を公式化することに対しては否定的な立場でしたが、今回は特に何か整理してはいけないような気がしています。どうも文章で語っている限り、そうなってしまいますね。そうしますと、読解行為自体が脱構築されるべきということになりますので、突然ながらこの記事はもう打ち切られねばなりません。
(執筆者:平塚翔太/本研究科 M1)