1分しまうま
焼けた砂浜。背中を焼く太陽。
そこ! と言う助手の声に反応し、私は棒を振り下ろした!
手ごたえあり!
目隠しを外すとスイカが見事に砕けていた。
「やった!......どうした助手?」
助手は目を見開いて、私の足元を指した。
足元には緑と黒の小さなしまうまがクルクルと駆け回っていた。
「1分しまうまだ! まずいぞ」
1分しまうまは、しましまなものに同化して生きている動物。しましまを離れたら1分しか生命維持できないのだ。
「私、しましまパンツ持ってるかも。とってきます!」
助手は一目散に滞在先のホテルに走って行った。だが、とても間に合わないだろう。
途方に暮れていると、しまうまは勢いよくジャンプし、海に飛び込んだ。
「......あ!」
綺麗な海面には空を流れる美しいうろこ雲が映っていた。しましまな雲の模様と同化したしまうまは、波と共に姿を消した。
呆然と波の音を聞いていると、タタタ、と足音が紛れ込んだ。
「教授! 私、パンツ忘れました!」