コーディネートのモチベーションを保つポイント
多様な人をつなぐコーディネート業界には、本当にいろんなコーディネーターがいる。前回の記事で書いたとおり、主体者にとことん寄り添い、根気よく続けられる人であれば、まずは誰でも就ける仕事だと思う。ただ、結果が出にくい分続けていくのは大変な仕事だというのも、コーディネーターをやっていて感じているところではある。
例えば、私は青森県五戸町で場を作る仕事を5年やっているが、やっと最近町内において場の力が認知されてきたなぁという実感が持ててきたところだ。
1年目、これまで町になかった「場」というものを町に作ることはできた。
そこに集まった人が、どうつながって、この場がどう変化していくといいのか。毎年町の職員さんとディスカッションを重ね、仮説を作りながら取り組んできたが、実際に目に見えて変化が起こった(変化の実感が持てた)のは5年後のことだった。
余談だが、私が好きな渡邉ペコさんという漫画家さんの作品の中で、新聞社に勤めていた主人公が、自分が記事を書いたからってどうなるのか実感が持てずに、手触り感を求めて友人が開いたお弁当屋に転職したストーリーにとても共感した。自分が作ったお弁当をお客さんがおいしそうに食べる。自分の仕事を結果がすぐに出る、その感覚が心地よいというようなストーリーだった気がする。
コーディネーターをやっていると、この主人公のような気持ちになることは多々ある。なかなか結果の出にくい世界の中で、自分の仕事の意味は何なのか。自分が関わっている意味は何なのか。悩み始めるともう沼である。
コーディネーターを長く続けるポイントとしては、自分のやりたいこと(関心ごと、深めたい、支えたい、などなんでもいいんだけど)と、地域にとって必要なことの交点を取り続けることが大事だと思う。特に、コーディネーターなんてマニアックな仕事に興味を持つ人は「地域のために」「地元のために」と思う人も少なくないと思う。もちろん、主体(地域、学生、経営者、など)に寄り添うことは大事だしそれが基本なんだけど、その仕事をやることで、自分が目指していることや、なりたい姿に近づけているか?というのを見ていかないと、苦しくなる。コーディネーターとしてのモチベーションを保つためには、あくまで軸は自分に置くことが、大事なことだなぁと思っている。