「顔のある犠牲者効果」第331回新年例会 2023/01/23
10年に一度の大寒波襲来予報に振り回され、開催が危ぶまれた今年の新年例会は、1月23日の月曜日に予定通り実施されました。というのも、我々には数年前の新年例会が水戸市内の大雪で、延期を余儀なくされたというトラウマがあったからでした。
主宰者の私は、万一大雪の場合の対処を№2会員のTKさんと、一週間前から電話でやり取りし、ホテル・レストランとも相談しながら、刻々と変化するインターネットとテレビの気象情報をやきもきしながら注視しつつ、当日の決行を判断したのでした。
お陰で、当日名簿上の参加者は20名。親族の体調不良とコロナ陽性により急遽欠席となった2名の方々を除く、水戸例会の18名の方々の元気な姿と、笑い転げたくなるような、あの全員1分間スピーチを、久しぶりに拝聴出来る機会を頂くことが出来ました。
私は主宰者でありながら、いつもこのスピーチの時間に勇気を貰っていて、その価値を見いだしているのですが、参加者の方々はどうなのでしょうか?
「顔のある犠牲者効果」
(※出典不明)
人は「心理的に近い存在」や「鮮明な出来事」の方に感情が動き、人助けの行動を促すといわれる。
例えば、あなたがマーケティングの担当者だったなら、「1,000人の定量調査の結果」より「たった1人のフォーカスグループの発言」の方にリアリティを感じた、という経験はおありだろう。
過去にスターリンは、「一人の死は悲劇だ。しかし100万人の死は、統計上の数字に過ぎない」と発言したし、マザー・テレサの、「顔のない集団を前にしても、私は行動を起こさないでしょう。一人一人が相手だからこそ、行動できるのです」という言葉なども、ある意味ではこの傾向を裏付けています。
アメリカで行われた大学教授らの実験は、これを証明するものとなりました。それは、アンケート報酬で得た5ドルの収入を、「食料危機支援」と、「マリ共和国の7歳の少女ロキアの貧困支援」のどちらかに寄付させるという実験で、少女ロキアが食料支援の倍額以上を獲得したのです。
これを教授たちは「顔のある犠牲者効果」と呼びました。
これは「人は大勢の苦しみより、特定の1人の苦しみの方に心を動かされる」とされる社会科学の理論です。
ロジックやデータはもちろん重要だが「顔のある犠牲者効果」に従えば、人間の記憶に残り、感情を動かすのは「目の前で繰り広げられるリアルな物語」の方だ。
そしてターゲットを数字だけで語らずに、物語で語ることのそもそもの意義とは、数字で実態を語るよりも物語の方が人間の記憶に残り、共感しやすいからだ。
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この例会の短いスピーチの時間には、参加者それぞれの物語が、それぞれの口調で語られ、それが参加者の胸を打ち、笑いや、熱い共感に繋がって行くのが、私には手に取るように分かります。
ですから、私たちの交流会が「ただの飲み会」にも関わらず、これだけの期間の継続と参加者を惹きつけることが出来ているのも、この短いスピーチの時間がひとつの要因となっていると思えるのです。
最後に、参加者のおひとり、№42会員のGUさんのツイートとお写真を添えて、例会当日の報告に代えさせて頂きます。
ありがとうございました。