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おぃ!そこの爺さん・・・「先導するキーイノベーター」

シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか

以前、新聞書評を読んで切り抜き、書店で見つけて直ぐ購入、早速読んだ一冊です。私の「前後世代層」感を打ち抜くような分析に、”笑い”が止まりませんでした。

書の詳細は、ネット上にかなり流れていますので、そちらにお任せします。

ところで、おぃ!そこの爺さん、と言われても、私は、自分の事だとは絶対に思わないし、よしんば振り向きもしません。しかし、私が子どもの頃に考えていた私の今の齢は、誰がなんと云おうとも爺さんです(汗)。

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若い頃、東京のマンションで新婚生活を始めた私は、夕食に出た鯖の味噌煮の小さな骨をノドに詰まらせ、奥さんに救急病院に電話を入れてもらった経験があります。

その電話口の問答は、「いくつの子ですか?」というものだったらしく、看護師は、子どもの急患だと思っている様子でした。

「28歳です」。奥さんの声が徐々に小さくなるのと、当事者の私には聴こえないはずの、向こう側の看護師の嘲笑するような「ニジュウ、ハチ」という復唱の声が、私の記憶に刷り込まれました。

そんなことで、時々健康診断などで病院を訪れて「年齢をお願いします」と言われると、咄嗟に、「ニジュウ、ハ・・・」と出かかって、我に返り、自分の現在の年齢に改めて驚くということを繰り返す、「真正シニア」です。


さて、本書は全編が興味深いモノでしたが、最後のページは、これからの指標になるような内容でしたので、一部、抜粋して紹介します。

「先導するキーイノベーター」

「シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか」
博報堂 新しい大人文化研究所 統括プロデューサー 阪本節郎(日本経済新聞出版社)1,800円

こうした動きを大人世代のなかで先導していくのがキーイノベーターである。当研究所の調査では全体の約5%程度で、オトナ・インフルエンサーという影響力の高いクラスターの中に存在する。キーイノベーターは「グローバル(世界化)とローカル(地域化)のどちらにも関心がある」「自らの知識と能力を社会に還元したい」「仕事と自己実現を同一化したい」「商品やモノゴトの背景にあるストーリー性を大事にする」「自分にとって信頼のおける人やメディアの情報価値に重きをおく」「自国が持つ独自の価値や文化を大切にしている」「現状に満足せず、つねに新しいことにチャレンジしたい」などの意識を持ち、生活や文化のイノベーションを起こす人たちだ。(中略)

このキーイノベーターが新しい大人消費による成長型経済と共有型経済をミックスさせ、さらに若い世代との交流・協力・支援も積極的に推進してモデルづくりをし、それが広がっていけば、次の世代への大きな力となるであろう。
(353ページ抜粋)

このコロナ禍の中、世界の価値観は大きく変わり始めています。シニアに限らず、キーイノベーターであろうとも、何より、謙虚で柔軟な姿勢と、嘘偽りの無い行動が大切な事なのだと、私は今、改めて思います。

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