「ダンパー数」第321回例会 2021/10/26
来る2022年度、主宰している交流会は28年目の”活動”に入ります。発会以来継続する月例会数は、来年度中に330回を超えます。現在まで63名在籍していたメンバー(正会員)は、このコロナ禍の影響もあって、年度の切り替えに当たり大きく絞られ、恐らく50名前後になる予測です。
毎月の例会案内は、このメンバーの方々と、フェイスブックから80人前後のビジター、そして私のメール登録者10人前後、合わせて150人程度に差し上げています。
以前の通信手段は全て郵送でした。毎月同じような数の方々に、プリントした案内を、宛名書きした封筒に封入して、切手を貼って郵便ポストに投函するという作業を続けて来ました。
この作業もSNSの登場で、格段に便利になり、その簡便さは比べようがありません。
ある本に、ひとつの集団が事務局機能を持たずに運営出来る「限界人数」を100人と書いていましたが、この感覚は、私にはかなり理解出来ます。
一方、英国人人類学者のダンバー(Dunber)教授は、人間がお互い同士良く理解し合ったグループを形成するには、グループの人数は150人を”超えてはいけない”と言っていました。
これは、ダンパー教授が”発見”したことで、「ダンパー数」Dunber's Numberとも呼ばれています。
教授はこの150人という数字を多数の未開民族のグループの大きさが平均最大148.4人であることから得たそうです。
未開民族の村とおなじような運命共同体である軍隊でも、150人(中隊規模)が一つのユニットとして統一した作戦を実行できる上限だと考えられているそうです。
Facebookの「友達」の数も、本当はこの辺が頃合いなのかも知れません。500人も1,000人も「友達」がいるというのは、それはそれで素晴らしいことだとは思いますが、その方々の顔(フェイス)や背景を本当に登録者本人が分かっているのかどうかは「友達」という言葉の持つニュアンスや、Facebookそのものへの向き合い方、捉え方、概念にもよるのでしょうが、私自身の経験からは疑問です。
ダンパー教授曰く、『オンライン上だけで友人関係を一定以上に深化させることは難しいのではないかと思う』と言って、スキンシップの重要性も指摘しています。どんな言葉よりもスキンシップで伝えることのできるメッセージのほうが力を持つということなのです。
『肌に触れるという行為を代替できる何かが情報技術の発達で可能になれば、それはものすごいブレークスルーだと思う。それが可能になるまで、人は実際に会わない限り深い関係を持つことはできない』とも語っていました。
新型コロナウイルスの蔓延で、リモートの可能性が一気に広がりました。教授のこの分析の検証実験を、現在の我々が実行している最中といえるのかも知れません。
SNSも道具です。このツールと、リアルに会う、ふれあう(スキンシップ)という行為を、暫くはソーシャル・ディスタンスに配慮しながらも、旨くミックスさせることで、次年度も進化したこの交流会をベースに、益々素晴らしい方々との人脈形成に取り組んでいきたいと思っている主宰者です。
2021年10月26日 第321回例会
於:水戸市浜田 茨城レストラン「フェリチタ」