「熱海」線状降水帯と露天風呂と美術館と
今回、ご存知、踊り子号で向かったのは、お馴染みの保養地「熱海」。
私は、"のぼせ性"のようで、温泉は苦手なのですが、最近は、何でもやって見ようの精神が勝り、重い腰も上がります。
ただ天候は最悪。到着時の「熱海」はどしゃ降りで、ボタボタというより、ガガッと強烈な雨音のする屋根付きの駅前アーケードを少し散策し、そこで昼食を終えたら、早々タクシーに乗って、宿へ直行というコースを選択しました。
テレビでは、静岡県に線状降水帯がかかり、大雨洪水注意報が出ていることを盛んに告知。実際、年季の入った旅館でしたので、雨音がもろに響き、私はほとんど眠れない一夜を過ごすこととなりました。
しかし、この旅館の部屋付きの庭につながる露天風呂は、苔むした庭の眺めが極上で、お湯の温度も程良く、温泉が苦手の私でさえも、のぼせずに三回四回とお湯に浸かる事が出来る、風雨も風情に変えてしまうような素晴らしさでした。
翌日は、天候も少し回復して来たので、当初計画していた「初島」行きを中止して、再びタクシーで向かったのは、MOA美術館。
ここは、予備知識も無く行ったのですが、その建物だけでも、一見の価値のある凄い美術館でした。
この旅で、面白いなぁと感じたのは、宿の仲居さんや、行き帰りに利用したタクシーの運転手さんとの会話。
こちらが、「熱海」の見どころを訊ねると、三人とも、ちょっと言葉に詰まるように、少し照れたように、申し訳なさそうに、「有りませんねぇ」と応じたこと。
いまの観光「熱海」の立ち位置がちょっと垣間見えたようで、線状降水帯の中でも、興味深く、楽しかった、一泊二日旅となりました。