ヴィヴィアン・マイヤーを探して 2020.5.9

印象的な映画のポスター。
少し気難しそうな女性がこちらを覗き込んでいる。
ミニシアター系の映画館でこのポスターをみた記憶があるが、
その時には映画を観なかった。

あれから何年も月日が流れ、映画配信サービス上で再開。
最近は、ゲッタウェイドライバーものばかり鑑賞していて、
夜の街を猛スピードで駆け抜けるか、
銃撃戦が繰り広げたりといった世界にいたので、
気分転換にと、この気難しそうな彼女に賭けてみることに。

歴史研究家であるこの映画の監督ジョンがオークションでたまたま手に入れた箱。
その中には大量のネガが入っいた。
作品自体の価値は分からないが、ネガをスキャンし、ネットで公開するとたちまち人気に。

作者は、ヴィヴィアン・マイヤーという人物だということはわかっているが、
グーグルで検索しても分からない。

だが、別の日に検索してみると、彼女の死亡記事を発見し、
コンタクトをとると、写真の撮影者は、乳母をしていた女性であることがわかる。

倉庫にある遺品の整理に手伝いに行くジョンは、彼女ゆかりの品々を手にする。
大量のフィルム、映画のフィルム、テープ、洋服、レシートなどなど。
彼女はどうやら何でも溜め込む人物だったようだ。

そういった品々から彼女がどのような人だったのか、
なぜこんなにも大量の写真を撮影し、しかも公表していなかったのかを解明していく。

彼女を知る人は、口を揃えて言う彼女は変わり者だった、いつもカメラを下げていたと。

個性的な服装で様々な場所で撮影をした彼女。
子供を連れていろいろなところで撮影を行なっていた。
8ヶ月間の一人旅にも出ており、
インド、タイ、エジプト、イエメン、南アメリカを旅行し、
もちろん写真も撮影している。

彼女は秘密主義で偽名を使用していたことがわかる。
ジョンは、彼女を知る人物に取材をしていくが、
フランス人だと信じていた人もいたが、
出自を調べていくと、ニューヨーク生まれであることがわかる。
彼女の写真から母親の出身であるフランスのアルプスの小さな街にたどり着く。
どうやら母親はフランス出身だったようだ。

謎に包まれた彼女と興味深い行動の数々に観ていて飽きない。

彼女の写真は魅力的。
時にユーモアあふれるものもあれば、悲しみを感じるものもある。
二眼レフのカメラ(二眼カメラの存在を知らなかった!)を使って撮影する彼女の写真は
人々とのほど良い距離感があり、みていて面白い。

今では、彼女の展覧会が世界各国で開かれている。

秘密主義だった彼女。彼女の撮影した写真が注目を浴びたのは、彼女の死後。
今の状況を彼女はどう思うだろうか。

きっと映画のポスターのような怪訝な顔をするのではないだろうか。

https://www.netflix.com/title/70291615?s=i&trkid=13212365

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