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日曜日とサザエさん

日曜日の夕方に放送されるサザエさん。

大人になった今では、テレビでこの番組が始まる頃には、
ブラウン管の中の賑やかな大家族とは異なり、
鬱屈とした気分でその家族を眺めるようになる。

サザエさん症候群。そんな言葉をいつしか耳にするようになった。

楽しかった週末もあっ!という間に終わり、
明日からは再び仕事が始まる。
あー憂鬱なマンデー。

憂鬱なマンデーの存在感は大きく、
楽しいサンデーがまだ終わらない内に
我が物顔でサンデーに居座り始めるのだから困る。
そのマンデーの存在に気づかされるのがサザエさんである。

忍び寄るマンデーの存在に気づきながら、
まだ今日はサンデー、サンデーと気を確かに持ち、休日を味わおうとする。
忍び寄るマンデーの存在に気付いても、気づかないふりをして・・・。

夕方。ベットに入り、目を覚ますとマンデー。
このくらいの時間になると、もうマンデーの存在を否定できなくなってくる。
何なら、一緒に夕飯の団欒を囲んで、サザエさんを観ていたりもする。

私の中のサザエさんは、アニメのサザエさん。
いつも気づくと、テレビに流れてきて、意識して見ることはなかった。

よくカレーを食べにいく桜新町駅。
階段を上がると、観たことのある家族が迎えてくれる。

そう、磯野家である。

桜新町が磯野家縁の地であることは知っていたが、
長谷川町子美術館を訪れることはなかった。

2020年長谷川町子記念館がオープンし、ラジオでも特集され、
ついに私は長谷川町子美術館・記念館に足を運んだ。

サザエさんの作者が長谷川町子だということは知っていたが、
驚くほど長谷川町子について知らないことに気付かされた。

九州出身で、早くに父を亡くしてから、母親と姉妹で東京に出てきて、
のらくらの作家に弟子入りし、15歳の若さで日本最初の女性漫画家として、
デビューしたこと。姉が挿絵をかき、姉妹で会社を作り、姉妹社から
漫画を出版していたこと。
何より、長谷川町子の絵の上手さに驚かされた。

サザエさんの連載が始まったのは、戦後直後のため、
闇市や満洲引き上げを描く描写もある。
戦後の暮らしぶりを描きながらも、磯野家の明るくて
ウィットのきいたお話しは昔も今も変わらない。

本人が描く幼少期などの漫画から
長谷川町子そのものがサザエさんのようであることが読み取れる。

ミュージアムグッズも可愛く、豆皿や手拭い等全て欲しくなるくらいだ。

私が購入した漫画「サザエさん旅歩き」には、
日本国内から海外のいろいろな国への旅が描かれており、
旅好きにはたまらない本になっている。

母親もとてもチャーミングでサザエさんのようにおてんばである。
特に萩の会が最高である。

サザエさんが日曜の夕方に放送されるのがわかった気がする。
楽しいサンデーからの現実のマンデーにはサザエさんの力が必要なのだ!
いつかサザエさん一家のように、マンデーとも楽しく食卓を囲めるようになりたいものだ。

まだ、余裕があるサタデーの昼下がりにて。


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