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君は試されている


辛いことが起きた時、
こんな台詞を聞くことがあるだろう。

これは、神様が与えた試練。
神様は乗り越えられる試練しか与えない。

職場のフロアを見渡して、
これは乗り越えられる試練だろうかと
君は不安になるだろう。

制御の効かなくなった大音量を振りかざすもの。
君がどんなに集中して仕事をしていても、
動画のテロップのように、
そのものが言葉を発した瞬間に、
フォントがかなり大きめのテロップで
君の頭の中を駆け巡り、
脳内はその言葉で埋め尽くされる。
どんなに君がそのテロップに翻弄されまいと
抵抗しようと、それには抗うことはできない。
気づいた時にはそのテロップの言葉を自ら発し、
あれ今何してたんだっけと
迷子になった自分に気づく。

強力なお酢を飲むもの。
世の中には鼻がひん曲がるほどの強力なにおいを持ったものがある。
くさやだったり、スウェーデンのシュールストレミングだったり、
臭豆腐だったり。
だが、そんなものを職場に持ち込むものは
さすがにいないだろう。
健康に良いという理由で職場にもたらされたお酢。
たかがお酢とあなどってはいけない。
この強力なお酢の匂いを嗅いだものは、
目の前の人がとんでなく足が臭いのかと
勘違いするほどの強力さである。
時節柄、マスクを手放せないものの、
一度マスクを離すと、鼻がひん曲がりそうになるのである。
上のものがその強力なお酢を愛用しているので、
うかつに「鼻がひん曲がりそうになった!」なんて
言えないのである。
マスクなしにはその匂いに耐えることができない。
世間からマスクがなくなった今、
君はどのようにこのお酢と戦うかと
頭を悩ませるだろう。

詭弁を弄するもの。
幼児のイヤイヤ期という言葉を聞いたことがあるだろう。
なんでも嫌になり、母親を悩ませる。
子育てはしたことがないので、
正確には知らないので、あしからず。
このイヤイヤ期という言葉が当てはまる現場を
君は目にした。
意見が発される度にそのものは、
その意見をことごとく否定し、
詭弁を弄するのである。
イヤといったからには、後に引けないらしく、
次から次にその詭弁を支える、
更なる詭弁が雨後の筍のようにでてくる、でてくる。
鮮やかな詭弁の連続に「お見事。」と
いいたくなるくらいだ。
詭弁のあるべき姿とは、まさにこのことである。
しまいには本人も屁理屈という言葉を
自ら使うくらいだ。
詭弁を弄し過ぎるおかげで、
一歩進んで二歩下がるどころか、
一歩も進めず、二歩下がっている。
詭弁による疲労感といったらない。

見渡す限り、試練の連続。

果たして、この試練に君は耐えられるだろうか。

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