
ロシアの情報ロンダリングについての解説記事
ロシアが行っている情報ロンダリングについての解説記事「How the Kremlin launders disinformation around the globe」( https://www.info-res.org/post/how-the-kremlin-launders-disinformation-around-the-globe )が公開されていた。
●概要
通常の誤・偽情報やナラティブの拡散が単層的であるのに対し、情報ロンダリングは多層的なプロセスを経て情報を拡散している。そして、事実の混入、文脈の変更、偽情報、情報の流用、クリックされやすい見出し、誤解を招き安い引用などによって誘導する。そのテクニックは図の通りだ。

たとえばゼレンスキー大統領が酩酊した動画は100万回以上再生された。ターゲット視聴者に親ロシア、反欧米のメッセージを広め、同時に視聴者を増やすことができる。
欧米のニュース記事からウクライナへの援助に反対する部分だけを抜き出し、強調して拡散する作戦も行われている。
こうした情報は図のようにいくつもの段階を経て拡散されるため、元の情報がわかりにくくなるとともに、複数のメディアなどで確認できる情報となるため目に触れやすくなる。

●感想
最近のロシアが行っている情報ロンダリングを事例つきでコンパクトに解説されていて、わかりやすかった。
同様のテクニックは中国も浸かっているが、日進月歩で進化していることを感じる。
好評発売中!
『ネット世論操作とデジタル影響工作:「見えざる手」を可視化する』(原書房)
『ウクライナ侵攻と情報戦』(扶桑社新書)
『フェイクニュース 戦略的戦争兵器』(角川新書)
『犯罪「事前」捜査』(角川新書)<政府機関が利用する民間企業製のスパイウェアについて解説。
いいなと思ったら応援しよう!
