YouTubeが推奨するコンテンツの52%は利用者の興味とは関係ない ISDによるYouTubeの不適拙なアルゴリズムを検証
Pulling Back the Curtain: An Exploration of YouTube’s Recommendation Algorithm
https://www.isdglobal.org/isd-publications/pulling-back-the-curtain-an-exploration-of-youtubes-recommendation-algorithm/
ISDはゲームに関心のある10代利用者など4つの異なる属性を持つ利用者に対して、YouTubeのアルゴリズムがどのように機能しているかを調査した。その結果の概要は以下。利用者の視聴傾向(ようするに興味)と関係ない動画を見せようとする傾向があった。
・YouTube は若いユーザーを適切に保護していない
性的表現を含む有害なコンテンツ、ゲーム動画、女性蔑視コンテンツ、自傷行為や自殺に関連するコンテンツを推奨していた。
・YouTubeの検索機能とレコメンデーションで健康に関する誤った情報やその他の問題のあるコンテンツが表示された
利用者が検索していなくても、反ワクチンのコンテンツなどに晒されていた。
・4つの調査すべてにおいて、宗教的なコンテンツがユーザーに推奨されていた。これらの動画はほとんどキリスト教にのみ関連しており、その理由は不明。
・関心と関係ないアカウントの推奨
すべての調査で視聴傾向などと関係ないアカウントや動画が推奨された。その割合は平均割合は52%におよんでいる。つまり、YouTubeが推奨するコンテンツの半分以上は利用者の興味とは関係ない者だった。その理由は不明で透明性がまったくない。
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