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ロシアによる情報ロンダリングをEast Stratcomが分析、レポート
024年5月1日(WEBには5月1日、PDFには4月と記載)、East Stratcom Task Forceの運営するEUvsDisinfoで「Building a false façade」( https://euvsdisinfo.eu/building-a-false-facade/ )が公開された。このレポートはロシアによる西側のウクライナ支援を弱体化させることを狙った情報ロンダリングについてまとめたものだ。
ロシアによる作戦「false façade」は23以上の偽のWEBサイト、ロシアのプロパガンダメディア、SNSなどで構成される包括的なもので、マイクロソフト社のレポートでも取り上げられた他、Viginiumのレポートで暴かれたPortal Kombatとも関係があった。Portal Kombatについては下記を参照。
フランスのVIGINUMが暴いた親ロシア・ネットワーク「ポータル・コンバット」
https://note.com/ichi_twnovel/n/n639e4a0ad7bb
情報ロンダリングにはいくつかの段階がある。
ロシアのプロパガンダメディアの情報を自動的に転載する。その際、情報源をクレジットしないで出所を曖昧にしている。
次に、ロシア語のコンテンツを英語に自動的に翻訳し、欧米からアクセスしやすいようにする。そして、SNSに転載する。最後に関係するSNSアカウントが拡散する。
ゼレンスキー大統領がイギリス国王チャールズ3世から2,000万ポンド以上の別荘を購入したという動画がYouTubeにアップロードされた時は、翌日、この動画を元にした記事がWEBサイトにアップされ、その後ロシア国営メディアやロシアの外交官によって拡散された。さらに、ロシアのプロパガンダメディアとTelegramによって拡散され、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ポーランド語を含むいくつかの言語に翻訳された。
この報告書では、同じトラッカーIDを使用、同じファイル名や同じコンテンツを使用、サイト作成時期が近い、見た目が似ている、同一もしくは類似のテンプレートを使用、キリル文字が混じっている(おそらくポカミス)などを元に情報ロンダリングの全体像を暴いていったという。
報告書にはロンダリングの実例や、偽のWEBサイトの一覧などが掲載されている。
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