第3話 使い回しの考察 確認の連絡をもらったことが2回あります

一度、新人賞に応募した作品を他の新人賞に応募する、いわゆる使い回しはどんどんやりました。なにしろ私の場合は短期決戦を考えていたのでなりふりかまっていられなかったのです。使い回しにはデメリットがあります。
しかし、短期でたくさんの新人賞に応募してデビューを目指す場合には、そのデメリットはだいぶ緩和されます。なぜならデビューにつながる賞の多くは年に1回の募集です。1年あるいは2年でデビューを目指す者にとって、同じ賞に応募するのは1回か2回なのです。仮に使い回しでマイナス評価を受けて、それが翌年に響いたとしてもさしたる問題にはなりません。なにしろ翌年にはデビューしているはずなのです。それに、そもそも禁止されていないのですから。

しかし、もし何年もかけて応募するつもりで、かつ特定の賞を狙っているなら、慎重になった方がよいでしょう。同じ賞に何度も応募するわけですからね。私の知人の作家には、7年間奥さんに食わせてもらってひたすら投稿していた人や、10年間仕事をしながら投稿を続けた人もいます。こういう長いスパンでの投稿生活を考えている方にはあまりオススメできません。

私の経験をご紹介すると、使い回しが問題にならずに最終候補になったことがある一方、事務局や編集部から確認の連絡をもらったこともあります。もちろん規約上は問題ありませんが、下読みさんあるいは選考委員が気づいたということで、わざわざ確認の連絡をしてきたのです。ウソをついてもしょうがないので、使い回しであることを伝え、規約には違反していないことも確認しました。でも、そういうことを気にする人もいるみたいで、どちらも落ちました。

こういった理由で使い回しは短期間でデビューするにはためらわず使っていいと私は思います。ただし、使い回しが原因で落とされることもあることは認識しておくべきでしょう。これはぜひ獲りたいと思う賞には使い回しでない方がいいということです。

特にラノベとミステリは下読みさんが重なることが多く(つまり使い回しがばれやすい)、かつ使い回しを嫌う傾向があるような気がします。

*世の中には売れているラノベをぱくって投稿して受賞して出版までしまう人(その後、ばれて大騒ぎ)や、同時期にふたつの賞に同じ作品を送って片方で受賞して取り消されない人(千早茜さん)だっているんです。

電撃文庫:「俺と彼女が魔王と勇者で生徒会長」を絶版 他作品との類似表現認める
https://mantan-web.jp/article/20100608dog00m200045000c.html

「投稿戦線 1年9カ月投稿96回、受賞2回、最終候補6回!」トップ
https://note.com/ichi_twnovel/m/mc132313c831e

いいなと思ったら応援しよう!

一田和樹のメモ帳
本noteではサポートを受け付けております。よろしくお願いいたします。