ロシアの1世紀におよぶ反ユダヤ・プロパガンダ アメリカ国務省スペシャル・レポート
アメリカ国務省のスペシャル・レポートが2024年1月26日に公開された。「GEC Special Report: More Than a Century of Antisemitism: How Successive Occupants of the Kremlin Have Used Antisemitism to Spread Disinformation and Propaganda」( https://www.state.gov/gec-releases-special-report-more-than-a-century-of-antisemitism-how-successive-occupants-of-the-kremlin-have-used-antisemitism-to-spread-disinformation-and-propaganda/ )である。2部構成になっており、1部は現代編でウクライナ侵攻なを題材にどのような反ユダヤ・プロパガンダ流してきたか紹介、2部は帝政ロシアからソ連時代における活動を紹介している。
よくまとめっていて資料とはとても参考になる。しかし、スペシャル・レポートというには物足りない印象を受けた。なぜならほとんどは既知の情報であり、それを整理しなおしただけだからだ。もちろん、私のように影響工作を調べている者にとっては1世紀にわたる活動をテーマ、ターゲット、活動主体、狙いがわかる形で整理してもらえているのはとても助かるし、参考になる。しかし、それってスペシャルなんだろうか? という印象である。
といってもこれまで国務省のGECが公開したレポートはだいたいそんな内容が多かったので、今回もそうだったということなのかもしれない。帝政ロシア時代までさかのぼっていたのでよけい既知の情報の再整理の印象が強くなったのかもしれない。
あえて言うなら現代編でロシアのプロキシであるSouthFront(FSB系)、Strategic Culture Foundation(SVR系)の動きなどが書かれていたのは参考になった。他にもところどころでお役立ち情報があった。ちなみにロシアのプロキシの基本情報はこのへんの記事( https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2020/08/post-5_2.php )に書いた。
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