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田中ひろみ「私を助けてくれた50の禅語 こころが調う ゆる禅語」

・本書は、京都の三十三間堂で仏像に恋に落ちて以後、日本全国の仏像を拝観してまわるイラストレーターで文筆家の著者が、自身が病気になったり、人間関係でつらいことがあったりしたときに、生きる指針となり救われた禅語50を著者のイラストでわかりやすく解説した1冊。

私を助けてくれた50の禅語(一部)

両忘(りょうぼう)
・「両方へのこだわりから抜ける」という意味である。
・世の中は、白か黒か、善か悪か、はっきりさせがちであるが、正解はひとつではない。
・たとえば、日本では食事の際にお茶碗をもって食べるのが礼儀とされるが、ほとんどの国では器をもち上げて食べることは基本的にマナー違反である。
・国が違うと、正しいとされることが違う。また時代によっても正しいことは変化する。
・「正しいこと」は、国や時代、人によってもかわる。これが正しい!こうでないといけない!という考えから解放されると「どっちだっていいじゃないか」という余裕が生まれてくるのだと著者は考えている。
※「両忘」についてわかりやすく解説した著者が描いた4コママンガが収録されているが、詳細は本書をお読みください。

且緩々(しゃかんかん)
・これは、「落ち着いて、慌てず、焦らず、ゆっくりと」という意味である。
・ミスをすると、そのミスを挽回しようと気が焦って、余計ミスを繰り返すことがある。
・著者は、電車に乗ると昔は切符をなくしていたことがよくあり、降りる際に切符が見つからないと、焦ってカバンのなかを探してもさっぱり出てこなかったそう。
・焦って行動したときは、余計に時間やお金を失っていることが多い気がする。何かを失敗したときこそ、「落ち着いて、慌てず、焦らず、ゆっくりと」とつぶやいて難を脱したいと著者は語っている。
※著者が切符をなくした際、どのようにして見つけたかのエピソードが収録されているが、詳細は本書をお読みください。

・本書は、「考えすぎない」「心に余裕を」「一歩一歩」「ありのままに」「今を生きる」という章で構成されており、
◇心静即身涼(こころしずかなればすなわちみすずし)=心静かであれば身体も清涼である
◇歩々是道場(ほほこれどうじょう)=心がけ次第で、どんな場所も自分を高める道場になる
◇随所快活(ずいしょかいかつ)=どんな場所でも、いつも自分らしく快活に生活する
◇一粒万々倍(いちりゅうまんまんばい)=一粒の種がやがては万倍にもなる
◇不思善不思悪(ふしぜんふしあく)=良いとも悪いとも思わない
など、著者を病気やつらい日々から救った50の禅語が著者のあたたかく、癒されるイラストで解説された内容となっている。
・また、坐禅の組み方や、全国の坐禅体験ができる場所が紹介された「坐禅体験できるおすすめのお寺」も収録されている。

何かに迷ったときや悩んだときに、本書に収録されている50の禅語があなたを救ってくれるかもしれません。

ちなみに私が本書で収録されている好きな禅語のひとつは、「結果自然成」です。

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