松尾久美子「部下の能力開花は関わり方次第」
・本書は、大手鉄道労働組合にて、組合員約2600人の組織運営をサポートし、自分よりも年齢も地位も上の人たちに命令ではなく「いかに気持ちよく働いてもらうかを」試行錯誤した経験をもとに、講師活動にて9年間で6万人を超える学生や社会人に教鞭を執り、現在は、「リーダーが変われば職場が変わる」という思いのもと、喜び溢れる職場環境づくりに注力している著者が、色彩学と心理学をミックスさせ、部下に気持ちよく動いてもらう秘訣について紹介した1冊。
・現在、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言も発出され、テレワークや時差出勤が強制的にスタートしている。コロナが落ち着いたところで、「これまでの働き方に戻るかと言えばそうではないだろう」と多くの方が予想しているが、テレワークなどオフィスを持たない働き方がどんどんと加速されることもあり得る。
・リクルートキャリア調べによる「働く喜び調査」で、働く喜びに大きな影響を与えているのは、「自分の持ち味ややりたいこと・自分の軸となる価値観の自覚」「それらが活かされる仕事・職場を選択していること」「上司同僚との密なコミュニケーション・期待がある職場環境」である。つまり自分の望ましい「働き方」ができているかどうかが、「働く喜び」に強く影響を与えている、ということである。
・人間関係構築は、
①他人と関わる前提として、自分を知ること
②相手を知る
③関わり方を変える
の3ステップでおこなう。
自分の得意、不得意は何かなど、自分をとことん知り、その後に相手が何を大事にしているのかを知る。最後に後輩、部下の特性がわかればらどう接してよいかもわかってくる。相手を変えようとするのではなく、相手への関わり方、接し方を変えることで、自ずと相手への行動が変わってしまう仕組みを活用すればいい。
色(赤・黄・緑・青・ピンク)とイメージについて
①赤
・赤は「生命力」「活力」「行動力」の色で、赤を好む人は外向性が高い人が多い。情熱的で競争心もあり、負けず嫌いなことから周りの人からは高圧的に感じられることもしばしばある。
・赤は戦闘状態にスイッチを入れる色でもあり、「買わなきゃ損!」とついつい財布の紐が緩くなる効果もある。
②黄色
・黄色は「知的好奇心」「無邪気さ」の色で、光を連想させる明るい色でもある。黄色を好む人は陽気で明るく、目新しいことの好きな好奇心旺盛な人が多い。子どものように天真爛漫、悪気なく毒づく一面もある。
・黄色は黒と組み合わせることで「注意」を促す効果がある。例として、踏切や立ち入り禁止のテープ、工事現場の表示などに使われている。
③緑
・緑は「癒し」「安心感」のある色。緑を好む人は森林のようなおおらかな心で相手を受け入れ、安らぎを与えてくれる人が多い。
・緑は「安心・安全・使いやすさ」という印象を持ち、LINEもそれを取り入れている。
④青
・青は「冷静」「クールさ」を持つ色で、青を好む人は知的でしっかりしている人が多い。さらに言うと、そう見られようと努力を怠らない陰ながらの努力家でもある。
・また、青は心を落ち着け、集中力アップの効果もある。
⑤ピンク
・ピンクは「女性らしさ」「優しさ」をイメージさせる色で、ピンクを好む人は男女問わず、年齢よりも若く見られる人が多い。また、小動物を連想されるように可愛らしさを持っていて、好かれやすいキャラでもある。
※自分がどのタイプであるかは、「色コミレンジャー チェックリスト」というタイプがわかる表があるので、詳細はそこからご確認ください。ちなみに私は「赤」でした。
・本書では、「組織を取り巻く現在の課題」「色とイメージ」「無意識に操られる色の不思議」「戦隊シリーズの歴史を紐解く」「人間関係のステップ【自己理解】【相手を知る】【関わり方を変える】」「色タイプ別5色の性格と特徴を徹底解説」「色彩タイプ別関わり事例紹介」「色を味方に組織を創る」という章で構成されており、「昭和→平成→令和:働き方の変遷」「人が持つ雰囲気と色との相関関係」「調和の取れた組織とは」など、色彩学、心理学を通じて気持ちよく働けるなど、部下と良好なコミュニケーションの取り方について紹介した内容となっている。
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