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滋賀大学データサイエンス学部(編著) 「この1冊ですべてわかる データサイエンスの基本」

・本書は、滋賀大学にて日本初のデータサイエンス学部として開設され、企業や地方自治体との連携に積極的で、共同研究や学術指導等の連携実績は200を超える滋賀大学データサイエンス学部がデータサイエンスで必要な分析の知識を、
◇オープンデータ
◇個票データと集計データ
など身近にある事例を用いてデータ分析をやさしく解説した1冊。

・データサイエンスは、データから新たな知見を引き出し、価値を創造する科学として定義されることが多い。実際の活用場面では、人間・組織の意思決定をデータに基づき行うという形をとることになる。
・人間・組織の意思決定には、夕食に何を食べるかといった各個人のレベルのものから、製造会社の億単位の生産計画・実行といった、より大規模なものまで様々なものがある。
・「夕食に何を食べるか」といったテーマであれば、この料理は以前とても美味しかったという経験が意思決定に大きく影響するであろうし、「製造会社の億単位の生産計画・実行」であれば、これまでの実際の生産結果(どんな原料を用いて、どんな条件下で生産したかなど)に関する過去のデータが大事な意思決定の材料となる。

・本書では、一例として、滋賀県の大津市がアニメや映画の「聖地」として観光客を呼び込むだけの充分な魅力があることを、各種のオープンデータを使いながら説明している。
・オープンデータとは、データを誰しもが簡単に無償で利用できるような形のデータをいう。データをオープンにすることが比較的早くから求められた例の一つが科学分野のデータであり、論文の結果の再現性の担保や、再利用による新しい知見の創造が、学問の発展を促すという考えに基づいている。
・施策立案のためには、住民の意向聴取や大規模な社会調査・実験などが必要になることも多いが、施策のアイデア出しのレベルで、根拠としてオープンデータを使えば、時間・金銭的な節約になる。
※本書では、代表的なオープンサイトとして5つ取り上げられているが、詳細は本書をお読みください。

・「大津市に観光客を呼び込む」という課題で分析する際、「オタク」をターゲットにすることを提案している。
・「オタク」の定義や、実際にどんな人がオタクにあたるのかについては、様々な考えがあるが、ある調査によると、各分野の「オタク」の人数を拡大集計したところ、「漫画」オタクの人数が約674万人となり、次いで、「アニメ」オタクが約657万人、「アイドル」オタクが約429万人であった。
・また、オタクを自認する分野に対する1年間の食費金額について、10,000円から50,000円未満と回答した人が最も多く、1人あたりの年間平均消費金額(3000分野全体)は44,154円(0円と回答した人を含む集計)であった。
・これだけ多くの人数と消費パワーを持つオタク層をうまく観光客として誘致することが出来れば大きな経済効果が望める。
※ 滋賀県の大津市がアニメや映画の「聖地」として観光客を呼び込むだけの充分な魅力があることをオタク層と観光を結びつけるために、「聖地巡礼」を通じて解説しているが、詳細は本書をお読みください。

・本書は、「手軽なデータ分析の実例」「本格的なデータ分析の実例」という二部構成となっており、
◇化粧水の分析
◇年齢とお茶の味覚の関係
◇生活時間の分析
◇観光スポットの人気を高める方策
◇ペットボトル茶の分析
など、身近にある事例を通じて、データ分析をわかりやすく解説したものが収録されている。

本書は、大学入学共通テストで出題される「情報Ⅰ」に対応するなど、学生さんの学びの参考になることが書かれています。
本書を通じて、「データ分析」が身近なものとして感じていただけたら幸いです。
※本日(8/30)発売の本です!

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