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野波ツナ(著)宮尾益知(監修)滝口のぞみ(監修) 「発達障害・グレーゾーンのあの人の行動が変わる言い方・接し方事典」

・本書は、発達障害がある夫との日常を綴った「旦那さんはアスペルガー」シリーズが累計20万部に達する話題作となった漫画家の著者が、いろいろな人達と対話するなかで著者が得た学びと、旦那さんとの生活体験をもとに、発達障害・グレーゾーン(以下、「あの人」)行動が変わる言い方と接し方について解説した1冊。

・「あの人」は何よりもまず、不安を感じやすいということを知っておいておくこと。とりわけ「突発的な出来事」や「なじみのない環境」には弱い傾向がある。
・なぜかというと、
◇見通しを立てる
◇文脈を読み取る
◇他者からものを考える
といったことが苦手なためだからだ。
・苦手が多い「あの人」は、たいてい過去に、
◇人とのコミュニケーションがうまくいかずトラブルになった
◇人間関係で何度もつまずいたことがある
といった経験をしていてトラウマを抱えているので取り乱しやすい。
・急な変更、突然の要望などはとくに苦手。強い不安感に襲われて「押し黙ってフリーズ」とか、逆に「イラつく・怒る」「むやみに拒絶的になる」といった反応をしてしまうことがある。
※その他の「あの人」の特徴については、本書をお読みください。

・「あの人」を動かすための基本戦略のひとつに、「『〜して』と肯定的な『OK指令』で伝える」がある。「あの人」に「〜するな」と禁止されると、行き場をなくしたように感じて混乱し、変えって事態を悪化させることがある
・「あの人」の行動を制止したいなら、代わりに何をすれば良いかを肯定文で伝えることをおすすめする。たとえば、
◇「上着はハンガーにかけて」「玄関のハンガーにかけておくか、クローゼットにしまうか、どちらかにしてね」とより望ましい行動を、こちらから指示したり、選択肢を2つほど用意して選ばせる。
・どうするかを「自分で決めた」という感覚が得られれば、指示されたことからくる不満が「あの人」に残ることもない。
※「その他の基本戦略」「職場、家庭の『あの人』を動かす言い方・接し方」についても述べられているが、詳細は本書をお読みください。

・本書は、「知っておきたい『あの人』の特徴」「『あの人』を動かすための基本戦略」「職場・家庭の『あの人』を動かす言い方・接し方」「『あの人』と話し合うときの心得」「話し合いを成功に導くテクニック」「がんばっている『あなた』へのヒント」という章で構成されており、
◇要望は何でも必ず「〇〇〇」
◇自分の好き勝手に仕事をした際の言い方・接し方
◇居室から物があふれそう
◇「あの人」と衝突しそうな場合の心得
といった65の「あの人」との関わり方のヒント、そのパートナーが自分を大切にするための知恵が収録された内容となっている。

「あの人」の行動を変えるのは簡単ではありませんが、不可能ではありません。本書が、「あの人」に悩む方々の手助けになれば幸いです。

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