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佐藤友美「書く仕事がしたい」

・本書はテレビ制作会社勤務を経て、ライターに転向し、日本初のヘアライター、書籍ライター、コラムニスト、エッセイストなど、物書きを20年以上続けている著者による、「書く仕事」のすべて(種類・準備・技術・マインドなど)を書いた1冊。

・書く仕事で生きていくのに最も重要なのは、文章力ではない。文章が上手いことと、書いて生きていけることは、イコールではない。「文章力」意外のスキルやものの考え方が、文章力と同等以上に重要である。

ライターという職業の定義は人によって違うが、著者自身は「依頼を受け、取材をもとに原稿を作り、納品する仕事」と説明し、
①依頼を受ける
②取材する
③原稿を作る
④納品する
の4点セットが、ライターの仕事の特徴だと著者は思っている。

・文章を書いて原稿料をもらうプロになるために必要な条件はおそらくたったひとつで、それは「文章を書いて原稿料をもらう人になる」と決めること。

・完璧な原稿なんて、絶対に一生書けない。だから、書き始めた原稿は、どこかで手放さなきゃいけない。つまり、ダサくてもひどくてもとにかく書き続け、現状におけるベストで書き終えて納品し、晒されてdisられても言い訳せず、反省し反省はするが折れず凹んでも戻ってくる。そして懲りずに次の原稿を納品する。いつかはもっと上手に書けるはずと信じて書く。「書く」続ける。これが「"書く"を仕事にする」ことだと著者は思っている。


・ライターに必要なのは、才能ではなく技術。ライターはアーティストである必要はなく、私たちが目指すべきは専門技術を持ったビジネスパーソンである。

・著者がライターにとって一番大事な素養だと感じるのは、「対象に興味を持ち、面白がれる能力」だと思っている。もっとわかりやすくいうなら「?」と「!」を、飽きもせずに行き来できる能力である。

・ライターの仕事は興味からスタートし、「なるほど!」の興奮をエネルギーにして回転する仕事。興味を持てなければしんどいし、取材対象を面白いと思えなければしんどい。しんどいだけじゃなく、書く原稿だってつまらなくもなる。ライターは自家発電する必要はないが、取材対象が持つエネルギーをキャッチして面白がらないと厳しい。

本書では、ライターの向いている人、生活、稼ぎなどについて書かれた「書く仕事を知りたい」、ライターになるための必要な準備、デビューの方法など「デビューするまでのこと」、取材準備、平均点をとれる原稿を書くためにどうするかなどの「書く技術に必要な技術」、編集者との付き合い方、スケジュール管理などの「書く仕事に必要なマインド」、年齢や生活に合った働き方とは?、書く仕事で生きていくとは?について書かれた「とどまらずに伸びていくこと」の合計5章で構成され、書いて生きる人のバイブルのような内容となっている。

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