中谷昌文「なぜ大富豪のサイフは空っぽなのか?」
・本書は、代々銀行家の家に生まれ、教員生活を経て、アメリカ留学の先にナイキのシューズと出会い、わずか1年でも44億円を売り上げた経験を持つ社会貢献活動家の著者が、そのときに学んだ「お金の使い方・守り方」について解説した1冊。
・自分のお金を守ることは、自分の人生を自分でコントロールする能力を身につけることと同じである。
・私たちを取り巻く諸問題は"お金"に関係している。日本の状況を俯瞰してみると、政府はとてつもない財政赤字を抱えている。
・私たちはまず、沈んでしまうかもしれない"沈没船"に乗っているようなもの。まずはその事実を知るところかははじめること。
・海外の人からすると、日本人は、
①勤勉
②親切
③貯金好き
という3点のイメージを持たれているとのこと。
・ある調査によると、「ボーナスの使い道は何ですか?」というアンケートに対し、62%が「貯金」と答えている。
・一方、欧米では、ユーロエリアにおける現金・預金の割合は日本よりはるかに少なく、投資に積極的なアメリカの貯金割合は、日本の4分の1ぐらいしかない。
・アメリカでは株式等や投資信託、あるいは保険・年金・定額保証にまんべんなく回されており、ユーロエリアも同様に株式等や保険などに投資されており、日本のように現金・預金が中心にはなっていない。
※こうした背景について言及しているが、詳細は本書をお読みください。
・あなたのお金が減っていく理由は、大きく分けて
①インフレ
②円安
③デフォルト
の3つである。
・現金資産は物価が上昇するごとに価値が目減りする。たとえば、昭和40年の都バスの乗車料金は20円だったが、現在は210円と10倍以上である。
・もしも、当時の20円を55年間タンスにしまいっぱなしにしていたなら、それだけで価値が10分の1に目減りしたということになる。
※①〜③の詳細は本書をお読みください。
・本書では、日本だけでなく海外も視野に入れた資産形成のあり方について解説している。
・日本のパスポート保持者がビザをとらずに渡航できる国は、192カ国と、中国(79カ国)、アフガニスタンやイラク(30カ国)よりもはるかに多い。
(渡航できる国が多いにもかかわらず、パスポート保有率が21.8%と少ないことから、日本のパスポートは世界一「サイコー」で「サイテー」と言われている)
・本書のテーマである自身の資産を守ることを考えたとき、全財産を日本国内に日本円で保有していることはリスクでしかない。
・今こそ日本人は、海外に投資するという視点を持つべきであると著者は考える。
・グローバルな視点を持つ、最初の一歩がパスポートの取得である。そして、世界のあちこちに足を運び、見識を広げていってほしいと著者は考えている。
・海外を知ると、日本が見えてくる。日本円の特殊性も、優れた「経済発展のDNA」を持ちながら、なぜ日本人はくすぶっているのかということも、外から日本を眺めれば、すべて一目瞭然なのだ。
※海外の具体的な資産形成法については、本書をお読みください。
・本書は、「今、日本の銀行が危ない!」という序章からはじまり、「自分のお金を守れずに失ってしまう日本」「世界の大富豪はどうやって資産を防衛しているのか?」「日本ではなく海外で資産を運用する」「世界中の富裕層が実感する投資の基本」「海外投資でありがちな落とし穴」「資産別の海外投資シミュレーション」「僕がランドセルを世界中に贈る理由」
という章で構成されており、知らないといけないお金の真実、具体的な投資の実践ポイントやリスク、資産別の投資シミュレーション(資産額約500万円〜100億円超まで)といった、本当に大事なお金の「使い方」「守り方」について解説した内容となっている。
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