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仲川顕太「わかる、伝わる、人を動かすシンプル資料作成術」
・本書は、法人企業の人材育成・組織開発の企画・設計・コンサルティングに従事し、MBA取得後は、事業責任者として、事業戦略策定/プロダクト開発をリードするかたわら、デジタル部門の経営メンバーとして中長期戦略策定/組織に携わる著者が、単なる資料作成の技術を伝えるだけでなく、ビジネスにおいて「人を動かす」ために必要な思考プロセスを、丁寧かつ具体的に解説した1冊。
・資料を作る理由は、「人に早く効率的に動いてもらうため」。ビジネスにおいては、人を動かすことが不可欠だからだ。
◇営業職としてお客様に自社の商品/サービスを買っていただく
◇企画職として社内で企画を承認してもらう
◇営業企画として社内の営業パーソンに動いてもらう
など、どのような仕事であっても、人に働きかけ動いてもらうことで新たな価値が生まれる。
・「人を動かす」とは「ギャップを埋めること」である。動かしたい相手のスタート地点も、そのゴールもさまざまだ。
・このスタート地点とゴール地点のギャップを埋めることが「人を動かす」ことの本質だ。
・つまり、資料の役割は「相手のスタート地点と自分が相手に到達してもらいたいゴール地点との間にある距離を縮めて、ビジネス上の目標を達成すること」と定義できる。
※「資料の本質」についても述べられているが、詳細は本書をお読みください。
・資料作りで最も避けたいのは、「作成の途中でどの情報を追加するべきか、あるいは削除するべきかがわからなくなり、迷走してしまうこと」だ。
・この状態が続くと時間を浪費するし、労力がかかるため脳や身体のエネルギーも消耗する。
・そうならないために、まず「全体像を意識する」ようにすること。一口に「資料を作る」といっても、いくつもの作業プロセスに分解できる。
・本書では資料を作る手順をまず大きく4つのステップに分けて、それをさらに細かく7つの小さなステップに分けている。4つのステップとは、
①ゴールを設定する
②伝えることを整理する
③スライドことに形にする
④整える
だ。資料の目的は「人を動かすこと」だが、具体的に「誰をどのように動かしていくのか」「どんな状態に持っていきたいのか」が出発点になる。実はこのゴール設定が意外と抜け落ちがちなのだ。
・適切なゴール設定を行なうためには
①背景:どんな背景があるのか?
↓
②目的:その背景にどんな目的があるのか?
↓
③ゴール:目指すべき状態は何か?
と順を追って考えることが重要になる。
・また、資料作成では、「どこに到達させるか」というゴールを明確にするのと同時に、「相手を理解する」ことも重要だ。そもそも資料はゴール設定だけではなく、スタート地点のり理解も極めて重要なのだ。
・相手の理解をうながすためには、「どこから、どのように導き、どこに到達させるのか」という目的に即したプロセスが必要。
・相手の理解度や背景に応じて資料の内容や構成を調整し、必要に応じて修正することが求められる。
※資料をつくる手順の4つのステップ、それをさらに細かくした7つの小さなステップについての詳細は本書をお読みください。
・本書は、「資料は何のために作るのか?」「資料を作るときには何を頭に入れるべき?」「資料のゴールを設定する」「メッセージの作り方」「ボディの作り方 Par1・2」「デザインの重要性」「練習してみよう!」という章で構成されており、
◇資料作成の要否を考える際の7つのステップ
◇資料は〇〇が9割
◇思考の癖を矯正するための5つのステップ
◇メッセージを支える〇〇〇〇を固める
といった大事なことだけを的確に伝える"中身の濃いスライド"の作成方法について解説した内容となっている。
誰もが実践できますので、資料づくりでお悩みの方は、ご一読ください。
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