清水康一朗「絆徳経営のすゝめ 〜100年続く一流企業は、なぜ絆と徳を大切にするのか?〜」
・本書は、これまでに大企業から中小企業まで4万社以上の経営を支援した圧倒的な実績を誇り、数多くの経営理論を提唱し、日本人の経済教育、歴史教育、道徳教育をライフワークとして力を注ぐ著者が、長きにわたって高収益を上げ続ける「持続可能な経営」である「絆徳経営」について紹介した1冊。
・近年、「教科書とおりにマーケティングをやっても売れない」「よい商品を提供しているのにリピーターがつかない」というように、努力をしても効果が出ないと訴える経営者が増えている。
・かつてないスピードで社会が変化し続ける現代において「数年前」は大昔である。「数年前には売れていた商品」も「数年前なら成功したノウハウ」も、すべて過去の遺物だと認識しなければならない。
・それなのに大部分の経営者は、これまでどおりのやり方で押し通そうとするので、それではうまくいくはずがない。
・現代の消費者は、「よいこと」を基準にモノやサービスを買っている。
・消費者の意識を変えた要因の一つにSDGs(持続可能な開発目標)が挙げられる。
・SDGs教育を受けてきた今の十〜二十代は、いくら魅力的な商品・サービスであってもSDGsに反するものは買おうとしない。
・最近の小学生は、見た目がかっこいいが燃費が悪いスポーツカーよりも環境負荷の少ないエコカーを好む、というデータもある。
・このように、人や環境にとって「よいこと」を好む傾向は、今後、若者だけでなく上の世代にもじわじわと広がっていくと著者は推測する。
・こうした消費者の変化に対応するために、今のビジネスから撤退するのではなく、日本人が昔から大切にしていた道徳感(人や社会によいことをしたい)を実際の行動にうつす、ということをすれば、会社の業績は好転し、従業員の士気も間違えるほど上がっていく。
・経営者は今こそ自身の道徳感と向き合い、理念すなわち「人や社会によいこと」を実践すべきなのである、と著者は語っている。
※そのときに気をつけなければいけないことが記載されているが、詳細は本書をお読みください。
・本書では、『「きれいごと」が経済合理性を生む時代になった』という序章から始まり、「これからの最強の資産は「絆」である」「絆徳経営でピラミッド型から「丸ダイヤ型」を目指しなさい」「分断を生み出す「7つの罠」とは?」「絆がどんどん強くなる「5Kマーケティング」」などの章で構成されており、経営者に限らず、ビジネスパーソンに知ってもらいたい「持続可能な経営」である絆徳経営について紹介された内容となっている。
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