見出し画像

前刀禎明「学び続ける知性 ワンダーラーニングでいこう」

・本書は、ソニー、ウォルトディズニー・ジャパンなどを経て、アップル米国本社副社長兼日本法人代表取締役に就任し、独自のマーケティング手法で「iPod mini」を大ヒットに導き、スティーブ・ジョブズ氏に託された日本市場でアップルを復活させた著者が、今日より明日、明日より明後日の自分が成長し、仕事も人生も楽しめるようにするためにどうすればよいか、これまでの著者の経験を踏まえて語られた1冊。

・本書のタイトル「学び続ける知性(ラーニング・インテリジェンス)」は、著者の造語で、正解を求めるのではなく、自分なりに観察し、推測し、考える姿勢を指している。

・学び続ける知性を養う過程は、
①Free Yourself(固定概念などから自分を解放すること)
②Create Youself(自らの個性を確立すること)
③Exceed Yourself(今の自分に満足しないでリセット&スタートを繰り返すこと)
の3つで、さまざまなテーマについて語りながら、①〜③を実践するヒントを探っていく内容が紹介されている。
※詳細は本書をご覧ください。

・本書のサブタイトルである「ワンダーラーニング」も著者の造語で、簡単に言えば、「わくわくしながら学ぼう」という意味である。
・著者を含めて勉強が好きじゃない人は、勉強"させられる"と余計につまらなくて、絶対に続かない。そういった場合、座学ではなく、人や物事を観察したり、興味のある場所に出かけたりを学びにつなげていく。著者は本を"読む"のは嫌いだが、アニメやドラマを"見る"のは好きである。好奇心を持っていれば、雲の形を見るだけでも頭は動かせる。

・新型コロナウイルスの感染症の流行で「個」としての選択の流れを加速し、人々の価値観は一層多様化した。
・「個」の時代は受難の時代であると同時に、チャンスの時代である。これまでのやり方は通用せず、消費者が"右へならえ"をやめれば、選ばれる製品やサービスは多種多様になるので、よく売れる(売上数量が多い)モノを作りたいと願い、需要を読もうとしたところで、読み切れるものではない。
・スティーブ・ジョブズは、「客が欲しがるものなんか分かりようがない。だから自分が欲しいものを作るんだ」と言った。著者は、この言葉を究極の「顧客目線」を提唱しているように感じるとのこと。
・自分が欲しいものを思えばいいなら簡単な話だ、と思われるかもしれないが、人は案外、自分の気持ちに鈍感である。自分が欲しいものが何なのか、ある物事に対して自分がどんな気持ちでいるのか、自分でもよくわからかったりする。なんとなくの気分ではあっても、言語化できるほど明確になっていないこともある。
※著者はこの件について日本人に提案したいことがあるが、詳細は本書をお読みください。

・本書では、「コロナでリセットされた消費者の価値観」「マーケティングに必要なのは過去のデータ分析じゃない」「マーケターに必要なものはこう身につけた」「新市場をつくるのはいつだってイノベーション」「働き方を革新せよ」「人に伝えるプレゼン力」という章で構成されており、「"後ろ向きなマーケティング"はいらない」「「未来に必要なスキル」とは何か」「前刀流・メッセージを伝えるプレゼンのコツ」など著者のこれまでの経験談ならびにそこから学んだ著者のノウハウ、考え方、スキルが紹介された内容となっている。また、「おわりに」の「孫悟空からもらった「オラ、わくわくすっぞ」精神」では、「本を読まない著者のおすすめの本の読み方」「クレヨンしんちゃん、名探偵コナン、ドラゴンボールなどアニメのキャラクターから見る思考のトレーニング方法」なども本書の魅力のひとつである。

#瞬読アウトプット  #1分書評 #日経BP #アップル #Apple #ワンダーラーニング

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?