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中村英泰(著)、田中研之輔(監修) 「社員がやる気をなくす瞬間 間違いだらけの職場づくり」

・本書は、年間100の研修や講演に登壇する職場風土改善の専門家である著者が、これまで見てきた700を超える職場で、1万人を超える人へのキャリア・コーチングを通して確認することができた、社員同士の関係性を深めて、部下やチームメンバーかやる気をなくさず、高いパフォーマンスを出す職場づくりとはなにかについて解説した1冊。

・企業の社員の「やる気」を上げるものは大きくわけると、
①給与を上げたり賞与や役職を与えたり、職場の設備環境を改善したり、福利厚生や就業規則を整えたりといった、物的側面
②社内の雰囲気や価値観、従業員同士の関係性、コミュニケーションのあり方、上司と部下間のパワー関係、仕事のストレスや満足度といった、人的側面
の2種類がある。
・①の物的側面からの「やる気」の向上は資金と、改善する意思があればどの企業でも整えられるが、効果は長続きしない。
・一方、②の人的側面からの取り組みは、改善までの時間に長くを要するが、ひとたび定着すればその効果は持続する。

・人的側面に影響を与えているのが「職場風土」である。職場風土は、部署やチームの社員同士の長年の関係性によってつくられる、ある種の文化である。活発に意見交換ができる職場なら、社員が互いに相談や連絡をかけあう声で、活気づいた職場風土になり、ワンマンな上司がいる職場では、社員が上司の様子や機嫌をうかがったりする職場風土になる。
・このように、職場風土で、働いている人も、顧客も時間を楽しく過ごせたり、つまらなくなったりするのだ。そして、職場風土は、長い年月を経ていつしか企業文化となり、企業全体にいい面も悪い面でも大きく影響を与えるようになるのだ。

・職場風土には、4つのタイプがあり、
①創発型風土(イノベーションが起きやすく、社員同士の関係が密で、いい職場風土)
②能動型風土(社員が人生の目的を持つことに必要性を感じていないなど)
③受動型風土(社員は事業方針やルールを忠実に実行するなど)
④離散型風土(社長や管理者がことの重大さに気づいていない・社員が自身を歯車だと思っている傾向がある)
がある。
※どのタイプかについてを知るには、接触の量と質がわかるチェックリストでわかるが、その詳細は本書をお読みください。


・著者がさまざまな企業の職場風土の改善をしていくなかで、「目標に向けて、上司と部下、社員同士が、お互いを認め尊重しあいながら目の前の仕事をやり切る。さらにはそれをキャリア成長につなぐ」ために、欠かせない要素が見えてきた。それは、「関係の密度」である。
・接触を持つことと同時に大切なのは、接触の際に「どのようにして信頼や職場の心理的安全性を醸成させるか」といった接触の中身。つまり関係の密度が大切になってくる。
・「関係密度」(一見すると、人と人との関係性という、とても「あいまいなもの」に対する考えをまとめたもの)を設けることで、なにを行ったらいいのかが明確になり、これまでご一緒させていただいた多くの企業が「職場風土づくり」に一段と取り組みやすくなった。
※「関係密度」高めるポイントならびに、どういったメリットがあるかの詳細は本書をご覧ください。

・本書では、「社員のやる気を奪う職場とは」「職場風土の改善は、「関係密度」がカギ」「「関係密度」を高められる人になるために」「社員のやる気を一気に奪う、間違った職場づくり」「未来に向けてどのような職場風土をつくるべきか」「特別対談 社員同士の関係性が、なぜデジタル社会で重要なのか?」という章で構成されており、「社員のやる気がある職場とない職場の決定的な違い」「半径5メートルの職場風土が、企業風土を変える」「あいさつこそ、心理的な距離を縮める最強のツール」「他人の印象や評価は、3回会うまでに決定する」「社員の人生の9800時間をムダにするシン・ブラック職場の特徴」など、社員のモチベーションと生産性が高い職場にするためにどうすればよいかについて解説した内容となっている。

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