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白秋社編集チーム編著 天野馨南子監修「未婚化する日本 ペアーズ共同調査と統計データが示すその傾向と対策」

・本書は、人口問題専門家の助言のもと、さまざまなデータを紐解きながら、少子化の真の原因を探り、根本的な課題とその効果的な対策を提示した1冊。

・日本の人口は今、消滅コースにあると言える。なぜなら、25年(4半世紀)もの間、超低出生率(LLF)の状況が続いているから。親世代の75%水準に満たない赤ちゃんしか生まれないことによって、日本の人口は縮小ループ、すなわち消滅への道をひた走っている。

・日本の婚姻数も急激に減っている。1970年から74年にかけては年間100万組を越えていたが、2011年以降は年間60万組台に落ち、2018年にはついに60万組を割って58万6481組に記録を更新した。

・日本の少子化の主たる原因は、女性の晩婚化や女性の社会進出、共働き夫婦が子どもを持たないなどではなく、男女の問題であり、結婚に少なからず口出しをする親世代の価値観の問題や、結婚を考えられるような労働環境を提供できているかという意味では、企業をはじめとする社会全体の価値観や仕組みの問題であったりする。

・日本の未婚化の要因に関する仮説検証調査を行った結果、
①結婚は至るには自分から積極的に動いて、活動量を増やす必要があることを啓発すべき
②結婚のタイムリミットを啓発することで活動時期への認知のゆがみが是正される可能性がある
③女性と男性にはお互い結婚の条件ならびに決め手にズレが生じている
④自らの年収を気にし過ぎている男性は、結婚が難しくなる傾向がみられる。「お金に関する条件はそこまで気にしなくてよい」ことを、男性に対してアピールしていくべき

など6つが示唆すべきという結論が出た。
(残り2つについては本書をご覧ください)

・統計データを考察すると、
①結婚にはタイムリミットがある
②中年男性の年下妻志向は非現実的
③未婚者は相手への条件を求めすぎる
④女性は自ら設定した「ガラス天井」に縛られている
⑤積極性が結婚の成否を決める
ことがわかった。

・未婚化を阻止するために認識すべきことと勘違い
①結婚はいつでもできる×→結婚には適齢期がある○
②異性はたくさんいるから、いつかはきっと出会いがある×→絶対数が減少しており、出会いの確率は低い○
③結婚するためには経済力が必要×→結婚には経済力よりも年齢が優先される○
④中高年男性でも初婚で容易に結婚できる×→中高年男性の結婚は再婚者のひとり勝ち○
⑤器量も気立てもよいから、いつかは白馬の王子様があらわれるはず×→若いときの恋人のような男性はすでに既婚者。いくら王子様を待ってもやってこない○

・本書では、「統計データが示す日本の未婚化の実態」「日本の未婚化が起きている理由」「マッチングアプリや結婚支援センターなどの新しい婚活スタイルの紹介と事例」などが紹介された内容となっている。

少子化対策の根本的かつ最も有効な手法は、「未婚化問題を解決すること」。パートナーを求めている方々にとって本書はその突破口を開く1冊になるかもしれません。

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