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武田正孝「図解よくわかる地方議会のしくみ〈改訂版〉」

・本書は、元江東区生活支援部長で、現在は江東区役所を退職し、現在は書籍執筆や研修講師などを行う著者が、イラストや図解を通して地方議会の複雑な制度をわかりやすく解説した1冊。

地方議会をめぐる最新動向
①議会における新型コロナ対応
・新型コロナウイルス感染症への対応として、各議会では様々なことを実施している。内容としては、
⚪︎運営議会に関するもの(会期の縮小など)
⚪︎住民に関するもの(傍聴の中止など)
⚪︎施設に関するもの(会議室の消毒など)
など、広範囲にわたる。
・議会では、感染防止の観点から、傍聴席への入場者制限、傍聴自粛の呼びかけが行われた。一方で、ホームページ、YouTube、Facebookでのライブ配信など、ネットで視聴できる環境を整備している自治体もある。
※感染症対策での様々な実施の詳細については、本書をご覧ください。

②議会のICT活用
・新型コロナウイルス感染症の影響により、タブレット端末の導入が進むなど、議会ICT化がこれまで以上に注目されるようになった。この他にも、
⚪︎インターネット中継(リアルタイムで本会議や委員会を中継)
⚪︎電子採決システム(全議員の賛否の明示、採決時間の短縮)
⚪︎オンラインでの視察や研修
などが実施されている。
・ICT活用のメリットとしては、効率的な議会運営、市民に開かれた議会の実現、ペーパーレス化による環境負荷への低減、議会事務局職員の負担軽減などがある。
※デメリットも記載されているが、詳細は本書をご覧ください。

③女性議員をめぐる環境
・女性議員を取り巻く環境(出産・育児等の両立など)には課題が多く、そういった女性が立候補しにくい環境が、議員の成り手不足の一因とされている。
・総務省「地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派別人員調等(令和3年12月31日現在)によると、都道府県議会では男性2,292人・女性306人、市区議会では男性15,440人・女性3,260人、町村議会では男性9,465人・女性1,260人となっており、女性議員の割合が依然として低い。

・議員に立候補検討や準備中でのハラスメント、議員活動における性差別やセクシャルハラスメントなども課題のひとつである。
・有権者や支援者、議員等かはハラスメントを受けたかという質問に対して、全体の42.3%、男性の32.5%、女性の57.6%が受けたと回答している。
・女性のハラスメントの内容として、「性的、もしくは暴力的な言葉(ヤジを含む)による嫌がらせ」が最も多い。
※全体及び、男性で多いハラスメントについては本書をご覧ください。

・本書では、先に紹介した「地方議会をめぐる最新動向」のほか、「地方議会のしくみと権限」「議会と長の関係」「会議のしくみと原則」「会議の議事運営」「委員会制度」「議員・議長・副議長」「議会にかかる法令等」「議員の活動」「議会改革」という章で構成されており、「国会議員と地方議員の違い」「地方議員の活動」など、複雑な地方議会のしくみをイラストでわかりやすく解説した内容となっている。

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