加藤芳久「売上を追わずに結果を出すリーダーが見つけた20の法則」
・本書は、最高で半日200万円という高額フィーながらコンサル依頼が絶えず、日本最大級の洋上研修への参画をはじめ、台湾、シンガポールなど海外にも活躍の場を広げる人財育成の専門家である著者が、経営コンサルタントとして、これまでに200社以上の企業で研修・コンサルティングを行い、さまざまなリーダーに出会った経験から優れたリーダーに共通する法則を発見し、それを最も重要な20の法則として紹介した1冊。
・多くの優れたリーダーに共通しているのは「シェアリングリーダー」であるという点である。
・シェアリングリーダーは想いを共有し、チームで起きたことをすべて、チームのメンバーの感情すべてを共有するリーダーのこと。
・すべてをシェアリングして人間関係がよくなれば、売上を追わなくても結果を引き出せるチームになる。
※シェアリングリーダーは、リーダーの一番の悩みのタネてある人財育成にも有効であるが、詳細は本書をお読みください。
・組織のマネジメントは「情報共有」が大事だと言われているが、著者は、これからの組織マネジメントで重要になるのは「感情共有」だと考えている。
・喜びも悲しみも嬉しさも不安も、すべてのチームのみんなで共有することで、強くていいチームになっていく。
・自分が不安に感じていることをみんなに打ち明けると、「自分も不安でいっぱいなんだ」とみんなも自分の想いを吐露するかもしれない。すると、「自分だけではないんだ」と安心感が生まれ、連帯感も生まれる。
・著者は、会議で「ぶっちゃけミーティング」という時間をつくるときもあり、「今日は腹を割って話そう」と前置きして、何でもいいからぶっちゃけたいことを順番に話していく(昔、アイドルの追っかけをしていた・昨日の会議で爆睡なと)。
・そうすることで、意外な素顔が見られたり、笑っちゃうようなドジ、深刻なトラブルを打ち明ける人もいる。
・ぶっちゃけた後は、みんなで「ナイスぶっちゃけ!」と称賛する。たったこれだけのことでも、チームの関係は一気に親密になる。
・仕事に厳しさを求めても、相手の人格を否定するような厳しさは論外。たとえ人間的には好きになれなくても、同じ職場で仕事をしてくれていることに感謝して、相手を受け入れる必要がある。そのための第一歩が、「相手を知ること」である。
・著者は「言いたいことを言える」のが、本当の意味でのチームワークと考えている。
・著者は相手を想うからこそ、時には厳しい意見を言わなくてはならないことを「厳愛」と名付けている。
・厳愛が通用する関係性にするには、まずお互い。理解するところから始めなくてはならない。これを実現するために、「カードファシリテーション」が紹介されている。
・カードファシリテーションは、付せん(カード)を題材にして会議やミーティングで議論を活発にする手法。
・やり方は、
①参加者を役職などの階層ごとに分けてグループをつくる
②参加者全員に付せんを渡す
③ファシリテーターがテーマを出し、それに対する考えを一人ひとり付せんに無記名で書き込んでもらう。
④付せんを模造紙やホワイトボードに貼り出して、全員で共有する
⑤感想を述べてもらう
というもの。
・たとえば、新入社員にテーマとして、「楽しみにしていること」「不安や悩んでいること」の2つのお題で付せんに書き込んでもらい、新入社員同士で共有すると、「目標を達成できるか不安」といった悩みや「言葉遣いがちゃんとできるのか心配」といった不安の言葉を読むうちに、「みんな同じことで悩んでいるんだな」と共感でき、一人ひとりを隔てている壁が消えていく。
・その付せんの一覧を、新入社員を教える立場の人たち(上司など)にも見てもらうが、付せんに書き込むときは原則名前を書かず、無記名なので、誰が書いたのかわからないようにするので、心おきなく本音をつぶやける。
・そして、新入社員の本音を知ることで上司は自然と新入社員の接し方が変わっていき、一歩踏み込んだコミュニケーションが取れるようになるのだ。
※カードファシリテーションを実施するにあたり、大事なポイントについて触れられているが、詳細は本書をお読みください。
・本書では、「シェアリンクリーダーの最強の武器」「「関係の質」がよくなるための法則」「「思考の質」を高める法則」「「行動の質」をパワーアップする法則」「次のサイクルにつなげる「結果の質」」という章で構成されており、「シェアリングリーダーになるための5つの条件」「リーダーは400度熱で語れ」「リーダーは「チャッカマン」になれ」「一人の「しくじり」はみんなの財産」など、即効性があり、どんな人の心も開かせる優れたリーダーに共通する20の法則について紹介した内容となっている。
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