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恵野十未香「アロマの国だより ストイッツォの長い旅」

・本書は、1990年頃より西洋ハーブ、アロマテラピーの生活への応用、実践法に取り組み、現在は不安を抱える方に一筋の光を感じていただけたらという想いのもと、アロマ講座、YouTube、小説によって「魂に届くアロマ」を広めるべく活動する著者が、遠くの国(ジェノヴァ)から来た主人公「ストイッツォ」の長き旅の物語である。

・ストイッツォ(パウロ・ストルキオ)は旅の途中、左腕を負傷し、旅先のアルルの街中にて、目の前が真っ暗になってしまうも、プロヴァンスの居酒屋料理店主のトックに介抱される。
・ストイッツォはアルルよりさらに先のアヴィニョンにて、書記の仕事に就こうと思っていたが、トックの弟子となり、トックの居酒屋で働くことになる。
・それから月日が経ち、ストイッツォはトックと奥さんのミッツの娘であるマーサと結婚し、娘のミシェルが生まれる。そして、居酒屋の料理を任せられるようになる。
・しかし、ストイッツォにはストルキオ家に伝わるある使命があった。物語の結末直前では、その使命に自身で終止符を打っている。
※その使命とは、そしてどんな終止符を打ったのかについては、本書をお読みください。

・本書では、ストイッツォの周囲に「アロマの妖精たち」がいて、彼らが目に見えない形で物語に登場している。
・彼らが住むアロマの国には「ディオスコリデス医学校」という学校があり、そこでアロマ妖精が緊急に救うべき人のいる場所に送り込まれる。
・彼らが送り込まれた場所は、「喘息に苦しむトックの妻ミッツ」や、「ストイッツォの娘のミシェル」である。
(ちなみにアロマ妖精が見えるのは、ミッツとミシェルの二人だけである)
・本書に登場する「アロマ妖精」たちの名前(ローズマリー・カンファー、ユーカリ・ラディアータ)は、実際の精油の名前や学名らあるいはそれを少しアレンジする形でつけられている。
・本書では、「アロマ妖精」の由来となった精油や利用方法についても、巻末の付録として収められている。

ひとりの青年の生涯を通じて、「果たして自分はどのように悔いなく生きていこうか」と考えさせられる作品でした。また、奇跡が起きた時は、自分の力だけでなく、目に見えない「何か」が私たちを助けてくれたのではと思いました。

ファンタジーとアロマテラピーが一度に楽しめる作品ですので、ご興味ある方はご一読ください。

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